私を、貴方の自信の無さに利用しないで

「俺でよければ話を聞くよ」
心の弱い、経済的に、自分に、自信の無い男性ほどこの台詞を吐くな、と思った。
厳しい言い方になるけど、彼らにはそれくらいしか出来ないと【思っている】。
だけど、私から見れば思っているだけで、話を聞くことすら出来ていない。
自分に自信の無い男性が口説きたい相手を口説くとき、決まって馬鹿の一つ覚えみたいに、「俺で良ければ話を聞くよ」と言ってくる。
何故なら、彼等には何も無いからだ。
何も無いから話を聞くことで、相手につけ込んで、手に入れようとする。
だけど、よく考えてほしい。
水商売、風俗、占い師、カウンセラー、クレーム対応、これらを同列に語っていいかの賛否はさて置き、何故これらに金が発生するのか? 金が動くのか?
それは、金が動くだけの価値があるからだ。
話を聞くというのは、そのくらい簡単そうに見えて難しいのだ。
自分の価値観は一度横に置いて、理解に苦しむ価値観であったとしてもその相手の価値観をベースに話を進め、変な間は作らず、だけど何も言わない方がいいときは黙っていて、相手の価値観を否定せず、自分の考えを押し付けず、適切なタイミングで相槌を打ち、相手を威圧せず、話しやすい空気作りをする。
必要であれば、適切なアドバイスもするけど、このアドバイスだって相手が求めていなければ不要なものだ。
地雷を踏まないで相手の話を聞くというのは、とても神経を使う。
私は、以前お世話になってたカウンセラーに、「24時間カウンセラーの顔を求められたら」どうですか? と、聞く前に「壊れますね」と即答されたことがある。
人の話を聞くということは本来、このくらい気力と体力を使うものなのだ。
それを、なんだか自分に自信は無いけど、「この子なら俺でもいけそう」と勘違いした人達がこの台詞を使って寄ってくる。
いい加減にしてほしい。
どうして貴方如きが私の悩みを解決出来ると思っているんだ。
人の話を聞くのが得意な人ってのは、そもそも「話聞こうか」なんて言ってこない。
話しやすい空気を既に作ってくれている。
私を、自分の自信の無さを埋めるのに使うのはやめてほしい。

#創作大賞2023 #エッセイ部門

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