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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第73番 狩 (Sinfonia No.73 "La Chasse", 1781)

交響曲第73番は、1780年に終楽章、1781年に残りの3楽章が作曲され、1782年に楽譜が出版されました。終楽章は、オペラ「報われた誠(La fedeltà premiata, Hob.XXVIII:10)」序曲からの転用です。「狩」という愛称の由来は、ハイドンさん自身が楽譜の終楽章にフランス語で「La Chasse」と記入したからだそうです。

エステルハーザ劇場は、1779年11月18日に火事で焼失しましたが、オペラ「報われた誠」は、再建後の杮落しのために作曲されました。オペラの中身は、半分真面目、半分喜劇だそうです。シュテファン・ザンデルリング(Stefan Sanderling)さん指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、「報われた誠」序曲です。

また、第2楽章は、ハイドンさんの歌曲「こたえる愛(Gegenliebe, Hob.XXVIa:16)」からの引用です。エリー・アーメリング(Elly Ameling)さんの歌とイェルク・デームス(Jörg Demus)さんのピアノです。

交響曲第73番ニ長調「狩」(Sinfonia No.73 D Dur "La chasse", Hob.I:73)
第1楽章 Adagio - Allegro 夜明けのような厳かな序奏部から、前置きの3連打からのフレーズが印象的な楽章です。
第2楽章 Andante 確かに歌曲のようなアンダンテの楽章です。
第3楽章 Menuetto & Trio. Allegretto フォークダンスのようなメヌエットと、ファゴットとオーボエのトリオです。
第4楽章 La Chasse. Presto オペラの序曲ですが、ローマの狩猟の女神ディアナがオペラで重要な役割を果たしていて、狩猟のモチーフが多く含まれていることから、ハイドンさんは「La chasse」と書き込んだと思われます。交響曲第45番「告別」と同じく、静かに終わります。

さて、「狩」のその他の演奏です。まず、オルフェウス室内管弦楽団(Orpheus Chamber Orchestra)の演奏です。

ラザール・ゴスマン(Lazar Gosman)さん指揮レニングラード室内管弦楽団(Leningrad Chamber Orchestra)の演奏です。

(by R)

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