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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第84番 イン・ノミネ・ドミニ (Sinfonia No.84 "In nomine Domini", 1786)

交響曲第84番は、6曲のパリ交響曲の中では1786年に最後に作曲されたものです。日本ではその愛称で呼ばれることはあまりありませんが、「イン・ノミネ・ドミニ」という愛称がついています。その言葉の意味は、ラテン語で「神の御名において」という意味で、ルネサンス音楽のイングランドの作曲家ジョン・タヴァナー(John Taverner, 1490年頃~1545年10月18日)さんが作曲したミサ曲「汝聖三位一体に栄光あれ(Missa Gloria tibi Trinitas)」のベネディクトゥス楽章が「イン・ノミネ(In Nomine)」という歌詞で歌われたことが起源だということです。

ただ、この曲の旋律がこの交響曲に使われているのかよく分かりません。誰かがどこかを指摘して言ったのかもしれませんし、何かに書いてあったのかも知れません。いずれにせよ、その愛称の由来は不明と言うほかありません。

タリス・スコラーズ(The Tallis Scholars)のコーラスで、ミサ曲「汝聖三位一体に栄光あれ」のベネディクトゥス楽章です。

交響曲第84番変ホ長調「イン・ノミネ・ドミニ」(Sinfonia No.84 Es Dur ""In nomine Domini, Hob.I:84)
第1楽章 Largo - Allegro 厳粛なラルゴの序奏から始まりますが、アレグロは愉悦に満ちながら、ときたまほんの少しだけ短調が入り混じります。
第2楽章 Andante テーマと4つの変奏からなる変奏曲による緩徐楽章です。第1変奏ではいきなり短調の変奏になりますが、あとの3つの変奏は穏やかな変奏が続きます。
第3楽章 Menuet & Trio. Allegretto 「田舎の気楽さなのか宮廷貴族の優雅さなのか、その境界線があいまいになる」(ドイツ語版Wikipedia)音楽です。
第4楽章 Finale. Vivace 基本はヴィヴァーチェの終楽章ですが、休み、弱音、短調を次々と織り交ぜて、試合巧者の面目躍如です。

パーヴォ・ヤルヴィ(Paavo Järvi)さん指揮パリ管弦楽団(The Orchestre de Paris)の演奏です。

レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)さん指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic)の演奏です。

追伸

「イン・ノミネ」をハッシュタグにしたところ、現代日本の作曲家桑原ゆうさんの「Five Images-In Nomine」という曲がありましたので、こちらもご紹介します。

(by R)

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