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本日の一曲 vol.121 ダヴィッド・オイストラフ ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番 (David Oistrakh: Dmitri Shostakovich: Violin Concerto No.1 a moll, 1955)

ドミートリィ・ショスタコーヴィチさんのヴァイオリン協奏曲第1番は、作曲自体は1947年~1948年ですが、1948年に「ジダーノフ批判」(ヨシフ・スターリンの意を受けて、ソ連共産党中央委員会書記のアンドレイ・ジダーノフが『社会主義的リアリズム』に反する音楽などの芸術を批判・弾圧したこと)が始まったので、ドミートリィさんは、曲の発表を控え、1953年3月5日にスターリンが死に、その約2年後の1955年になって発表したものです。

初演は、その年の10月29日、この曲を献呈されたダヴィッド・オイストラフさん自らがヴァイオリンを弾き、エフゲーニ・ムラヴィンスキーさん指揮レニングラード・フィルハーモニー交響楽団の演奏で行われ、12月31日には、同じくダヴィッドさんの独奏で、ディミトリ・ミトロプーロスさん指揮のニューヨーク・フィルハーモニックの演奏でアメリカ初演が行われました。

本日ご紹介するのは、ドミートリィさんとダヴィッドさんがいっしょに撮影されている写真がアルバム・ジャケットになっている1973年のダヴィッドさんとニュー・フィルハーモニア管弦楽団による演奏です。指揮は、ドミートリィさんの息子さんであるマクシム・ショスタコーヴィチさんです。アルバム・ジャケットの後ろに立っている人がマクシムさんですね。

👇プレイリストです。

時の権力によって音楽などの芸術が弾圧されるということは、歴史上何度か起っています。「ジダーノフ批判」もその一つで、これについては、真偽はともかくとして、「ショスタコーヴィチの証言」という本があります。読み物として、とても興味深い内容になっていますので、一読をおすすめします。

なお、筆者は、ダヴィッドさんの息子さんであるイーゴリ・オイストラフさんがヴァイオリンを弾き、クルト・ザンデルリングさん指揮ベルリン交響楽団による演奏を好んで聴いていますが、音源としてはCDしかないようです😣

また、新しい演奏としては、2021年のグラモフォン賞を獲得したアリーナ・イブラギモヴァさんのヴァイオリン、 ウラディーミル・ユロフスキさん指揮のロシア国立アカデミー管弦楽団の演奏によるものがあります。こちらは、ヴァイオリン協奏曲第2番も収録されています。

(by R)


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