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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第96番 奇蹟 (Sinfonia No.96 "The Miracle", 1791)

交響曲第96番も12曲の「ザロモン交響曲」のうちの1曲で1791年作曲の第1期のものです。この交響曲には「奇蹟」という愛称がついています。

この愛称の由来は、初演時に観客がハイドンさんをよく見ようとしてステージ近くに押し寄せたところ、突然会場のシャンデリアが会場中央に落下したのですが、会場中央には誰もいなかったので、奇蹟的に誰も怪我することがなかったというエピソードに基づいています。

ところが、近年は、その初演とは第96番の初演ではなく、第102番の初演だったということが分かり、第96番からは「奇蹟」という愛称が取り上げられそうな状況なのです。しかし、特に印象的なメロディーがあるわけではないのですが、たくさんの工夫があり、とても興味深い曲になっています。

交響曲第96番ニ長調「奇蹟」(Sinfonia No.96 D dur "The Miracle", Hob.I:96)
第1楽章 Adagio – Allegro ニ長調から始まり、すぐにニ短調に転調するアダージョから、アタックの多い長調のアレグロになり、短調への転調、頻繁な休止と目まぐるしい展開を見せます。
第2楽章 Andante あまり緩徐楽章らしくなく、ここでも短調への転調やアクセントのめりはりが目まぐるしい展開を見せます。
第3楽章 Menuetto: Allegretto わりとゴツゴツしたメヌエットとオーボエが活躍するトリオです。
第4楽章 Finale: Vivace 一筋縄ではいかないたくさんの山あり谷ありなフィナーレになっています。

交響曲第93番に続いて、われらがアダム・フィッシャー(Adam Fischer)さんが現在首席指揮者を務めているデンマーク国立室内管弦楽団(Danish Chamber Orchestra)を指揮したものです。

以下、プレイリストです。
ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)さん指揮ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団(The Philharmonic-Symphony Orchestra Of New York)の演奏
マルク・ミンコフスキ(Marc Minkowski)さん指揮ルーブル宮音楽隊()の演奏
トーマス・フェイ(Thomas Fey)さん指揮ハイデルベルク交響楽団(Heidelberger Sinfoniker)の演奏
クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)さん指揮ヨーロッパ室内管弦楽団(Chamber Orchestra Of Europe)の演奏アンドレ・プレヴィン(André Previn)さん指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)の演奏
カール・ミュンヒンガー(Karl Münchinger)さん指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker)の演奏です。

(by R)

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