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本日の一曲 vol.359 サード・ワールド 華氏96度 (Third World: 1865 (96° In The Shade), 1977)

サード・ワールドは、1973年にジャマイカ・キングストンで結成されたレゲエ・バンドです。ライヴ・デビューは1974年、アルバム・デビューはセルフタイトルのアルバムで1976年でした。本日ご紹介する曲は、1977年にリリースされたセカンド・アルバム「華氏96度」の中のタイトル曲です。

イギリスは、16~17世紀から北大西洋とカリブ海に囲まれた西インド諸島を植民地化していき、現在のジャマイカも17世紀後半に大英帝国の植民地にされます。ジャマイカでは当初から奴隷解放運動があり、1834年に奴隷制が終決します。しかし、ほとんどの黒人は極貧の生活をし、政治からも排除されていました。1865年10月11日、ジャマイカのセント・トーマス教区でボール・ボーグル(Paul Bogle)さんが数百人の黒人男女を率いてモラント湾の市街地に乱入するという反乱事件を起こしました。この反乱で439人の黒人ジャマイカ人が白人の自警団に殺され、ボーグルさんを含む354人が逮捕されました。10月24日には、ボーグルさんは反乱の責任を問われ死刑に処されてしまいました。

サード・ワールドの「華氏96度」はこの「モラント湾の暴動」のこと振り返って歌った曲です。正真正銘のプロテスト・ソングです。

サード・ワールドは、その後も解散せずに現在まで活動を続け、ソウル、ファンク、ディスコの要素を取り入れ、レゲエのワールドワイド化に尽力したと言われています。ただ、初期のころは、硬派な活動をしていたということは覚えておきたいところです。

サード・ワールドの初期のアルバムは、サブスクでは網羅されていないのですが、「華氏96度」はありますので、お聴きになってみてください。

ちなみに華氏96度は摂氏35.5度くらいです。

また、日本のプロテスト・ソングもお聴きになってみてください。

(by R)


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