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本日の一曲 vol.422 レインボー シンス・ユー・ビーン・ゴーン (Rainbow: Since You Been Gone, 1979)

リッチー・ブラックモア(Ritchie Blackmore)さんは、1974年11月にディープ・パープル(Deep Purple)がアルバム「嵐の使者(Stormbringer)」をリリースした後、イギリスのプログレ・バンドのクオーターマス(Quatermass)の曲「ブラック・シープ・オヴ・ザ・ファミリー(Black Sheep Of The Family)」のカバーのレコーディングを巡って、他のメンバーと不和になります。

そこで、リッチーさんは、ディープ・パープルの前座を務めていたバンド「エルフ(Elf)」でボーカルをしていたロニー・ジェイムス・ディオ(Ronnie James Dio)さんやエルフのメンバーとソロとしてリリースすべく「ブラック・シープ~」のレコーディングを進め、その感触がよかったのでしょう、1975年3月からエルフのメンバーとアルバム制作を進めて完成させ、4月にディープ・パープルを脱退しました。

このときのアルバムは、1975年7月にデビューアルバム「銀嶺の覇者(Ritchie Blackmore's Rainbow)」としてリリースされました。ただ、このアルバムからシングルカットされたのは、なぜか「ブラック・シープ~」ではなく、銀嶺の覇者(Man on the Silver Mountain)、王様の神殿(The Temple Of The King, ニュージランド・東南アジア・南米)、スティル・アイム・サッド(Still I'm Sad, イタリアのみ)の3曲でした。ここでは、王様の神殿を貼っておきます。

アルバムのプレイリストです。

その後、リッチーさんは、ディオさん以外のエルフのメンバーを入れ替えて、キーボードにトニー・キャリー(Tony Carey)さん、ベースにジミー・ベイン(Jimmy Bain)さん、そしてドラムにコージー・パウエル(Cozy Powell)さんを起用して、1976年5月にセカンドアルバム「虹を翔ける覇者(Rising)」をリリースします。このアルバムからは「スターゲイザー(Stargazer)」を貼っておきます。ちなみにこの曲ではミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Münchner Philharmoniker)が参加しています。

アルバムのプレイリストです。

そして、1977年7月にはライヴ・アルバム「レインボー・オン・ステージ(On Stage)」をリリースしました。このアルバムについては、以前記事にしましたので、こちらをごらんください。

これと並行して、1977年5月から、3枚目のスタジオ・アルバムのレコーディングに入るのですが、バンド内に不穏な空気が漂ってきます。この3枚目のアルバムは、「バビロンの城門(Long Live Rock 'n' Roll)」として1978年4月にリリースに漕ぎつけますが、全体を通してレコーディングに参加しているのは、リッチーさん、ディオさん、コージーさんの3人だけであり、キーボードは、トニー・キャリーさんかデヴィッド・ストーン(David Stone)さん、ベースはリッチーさんかボブ・デイズリー(Bob Daisley)さんが担当しました。このアルバムからは「バビロンの城門(Gates of Babylon)」を貼っておきます。

アルバムのプレイリストです。

やはり不穏な空気は現実化し、1978年12月にディオさんが脱退し、コージーさんだけが残留、それから、ドン・エイリー(Don Airey)さん、元ディープ・パープルでプロデューサーとしても活躍していたロジャー・グローヴァー(Roger Glover)さん、そして、グラハム・ボネット(Graham Bonnet)さんを迎えて、4枚目のアルバムのレコーディングに入り、1979年8月にアルバム「ダウン・トゥ・アース(Down To Earth)」がリリースされ、このアルバムから、本日ご紹介する「シンス・ユー・ビーン・ゴーン(Since You Been Gone)」がシングルカットされました。

アルバムのプレイリストです。

「シンス・ユー・ビーン・ゴーン」のオリジナルは、ラス・バラード(Russ Ballard)さんの1976年の曲です。

しかし、この曲を巡って、リッチーさんとコージーさんが対立してしまい、このアルバム「ダウン・トゥ・アース」を最後にコージーさんも脱退していまいました。

ただ、ブライアン・メイ(Brian May)さんがこの曲のレインボー・バージョンを気に入っており、ブライアン・メイ・バンド(Brian May Band)で1993年に自らボーカルをとってカバーしました。ちなみに、ブライアン・メイさんのカバーの題名は「Since You've Been Gone」となっていますが、文法的には正しいものの、ラス・バラードさんのオリジナルの題名には「've」はついていません。

(by R)

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