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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 落ち葉拾いの交響曲 (Hob.I:105-108)

ハイドンさんの交響曲で交響曲第何番と呼ばれるのは第104番「ロンドン」までですが、ホーボーケン番号の「I」に分類されるものは108番まであります。


協奏交響曲(Op.34, Hob.I:105, 1792)

協奏交響曲というのは、3~4のソリストがオーケストラと演奏する形式の曲のことです。実際の演奏会の様子を見れば、どのような感じかすぐお分かりになると思います。モーツァルトさんにもベートーヴェンさんにもこの形式の曲があり、なかなか華やかで楽しい形式です。

ハイドンさんの協奏交響曲は、1792年の作曲で、ヨハン・ペーター・ザロモン(Johann Peter Salomon)さんの招きで1回目のロンドン訪問のときの演奏会で初演となっています。この曲でのソリストは、ヴァイオリン、オーボエ、ファゴット、チェロとなっています。

協奏交響曲変ロ長調(Sinfonia Concertante, Hob.I:105)
第1楽章 Allegro
第2楽章 Andante
第3楽章 Finale: Allegro con spirito

ラインハルト・ゲーベル(Reinhard Geobel)さん指揮南西ドイツ放送交響楽団(SWR Symphonieorchester)の演奏です。

「漁師の娘たち」序曲(交響曲ニ長調、Hob.I:106)

「漁師の娘たち」というオペラは、例のエステルハーザ劇場の火災により、譜面などが焼失してしまったものですが、研究の結果、この交響曲ニ長調と呼ばれるものが、「漁師の娘たち」序曲として演奏されることがあります。

デレク・ソロモンズ(Derek Solomons)さん指揮レストロ・アルモニコ(L'Estro Armonico)の演奏です。

交響曲A(Hob.I:107)

研究の結果、モルツィン家時代の曲ではないかと考えられています。初期の交響曲に見られた3楽章形式になっています。

交響曲「A」変ロ長調(Symphony "A" B Dur, Hob.I:107)
第1楽章 Allegro
第2楽章 Andante
第3楽章 Allegro molto

マックス・ゴバーマン(Max Goberman)さん指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団(The Vienna State Opera Orchestra)の演奏です。

交響曲B(Hob.I:108)

こちらは、モルツィン家時代のものか、エステルハージ家初期の時代のものかはっきりしないそうです。ただ、第3楽章で短調が使われていることから、「疾風怒濤」時代のものなのではないかと思います。

交響曲「B」変ロ長調(Symphony "B" B dur, Hob.I:108)
第1楽章 Allegro molto
第2楽章 Menuetto: Allegretto - Trio
第3楽章 Andante ト短調の弦楽器だけの緩徐楽章です。
第4楽章 Finale: Presto

マックス・ゴバーマン(Max Goberman)さん指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団(The Vienna State Opera Orchestra)の演奏です。

御仕舞い

これでハイドン・シリーズの交響曲編は御仕舞いです。今年の3月27日から始まり、全105回でした。最近のオーケストラの演奏会ではハイドンさんの作品はなかなか取り上げられませんが、意外と世界のあちらこちらで演奏されていることが分かりました。さすが「パパ・ハイドン」と親しまれてきただけのことはあると思います。曲調も健康的なものばかりで、ときどきいたずらなこともしますが、良い音楽だと思います。たまにはハイドンもお聴きになってみてください。

長い間お付き合いありがとうございました。

(by R)


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