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本日の一曲 20世紀第4四半期の音楽

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連載「本日の一曲」のうち、1976年~2000年の音楽をまとめました。
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2024年3月の記事一覧

本日の一曲 vol.234 ジャパン オール・トゥモローズ・パーティ (Japan: All Tomorrow's Parties, 1978)

ジャパンは、デヴィッド・シルヴィアン(David Sylvian)さん、スティーヴ・ジャンセン(Steve Jansen、デヴィッドさんの弟)さん、ミック・カーン(Mick Kahn)さんの3人を中心に結成されたイギリス・ロンドンのバンドで、1978年にファースト・アルバム「果てしなき反抗(Adolescent Sex)」をリリースしてデビューしました。 ジャパンは、最初に日本で人気に火がついたいわゆる「ビッグ・イン・ジャパン」のバンドでした。当時の熱狂については、note

本日の一曲 vol.229 TOTO ジョージー・ポージー (TOTO: Georgy Porgy, 1978)

TOTOは、1977年にアメリカ・ロサンゼルスでスタジオ・ミュージシャンが集まって結成されたバンドであり、1982年にリリースされたアルバム「TOTO IV」に収録された「アフリカ(Africa)」が大ヒットしたことで、誰もが知るバンドになりました。 彼らのファースト・アルバム「宇宙の騎士(TOTO)」は1978年に、セカンド・アルバム「ハイドラ(Hydra)」は1979年にリリースされましたが、ファーストに収録された「ホールド・ザ・ライン(Hold The Line)」、

本日の一曲 vol.227 アラーム 68ガンズ (The Alarm: 68 Guns, 1984)

アラームは、イギリス・ウェールズのリル出身のバンドで、フロントマンはマイク・ピーターズ(Mike Peters)さん、1984年にデビュー・アルバム「アラーム宣言(Declaration)」をリリースしました。本日ご紹介する「68ガンズ」は、このデビューアルバムに収録された、アラーム最大のヒット曲です。 マイクさんによると、学生時代にグラスゴーのストリートギャングの本を読んだことがあり、その本からインスピレーションを得て、この曲を作曲したとのことです。その本の舞台が1968

本日の一曲 vol.226 バーブラ・ストライザンド&ドナ・サマー ノー・モア・ティアーズ (Barbra Streisand / Donna Summer: No More Tears (Enough Is Enough), 1979)

バーブラ・ストライサンドさんは、1942年4月24日にアメリカ・ニューヨークで生まれ、映画「スター誕生(A Star Is Born, 1976)」が代表作である歌手・女優、ドナ・サマーさんは、1948年12月31日にアメリカ・ボストンで生まれ、「ディスコの女王(Queen of Disco)」と呼ばれた歌手です。 この二人が10分以上にわたり、デュエット・バトルを繰り広げたものですから、ド迫力の録音が生まれました。「涙なんかもうたくさん」という題名ですが、「涙なんかぶっ飛

本日の一曲 vol.224 イエス マシン・メサイア (Yes: Machine Messiah, 1980)

1970年代前半に一世を風靡したプログレッシヴ・ロックですが、そのプログレ・ムーヴメントの中心にいたバンドがイエスです。代表作は、「こわれもの(Fragile)」、「危機(Close To The Edge)」、ライヴ・アルバム「イエスソングス(Yessongs)」ですが、さてそれからどうするかというのが、プログレ・バンド共通の悩みだったと思います。イエスも試行錯誤、紆余曲折を経て、今から振り返ると、感慨深く、とてもいろいろありました、ということになると思います。 本日ご紹

本日の一曲 vol.223 キッス ベスト・オブ・ソロ・アルバムズ (Kiss: Solo Albums, 1978)

もはや説明不要と思われるキッスが1978年に4人のソロ・アルバムをリリースするまでに、6枚のスタジオ録音のアルバムと2枚のライブ・アルバムをリリースしていました。キッスのデビューアルバムは、1974年のリリースでしたので、この約4年間でキッスは大ブレイクをしたのです。日本でもたくさんの若いキッス・フリークを生み出し、当時はベイ・シティ・ローラーズと人気を二分していました。 キッスは、歌舞伎メイクで顔出しなしでしたので、その謎に包まれたミステリアスなイメージ作りも成功していた

本日の一曲 vol.221 ウィングス 心のラヴ・ソング (Wings: Silly Love Songs, 1976)

ビートルズの1970年代は、ビートルズ解散後の10年間であり、ビートルズの4人がそれぞれの道を歩み、それぞれがそれぞれの色を強く出していった時期でした。やはり1970年代の当時からすると、ポールのウィングスが華々しく活躍した時期であり、ウィングス時代は、ポールにとっても充実した時間だったと思います。 本日ご紹介する「心のラヴ・ソング」は、ウィングスの5枚目のアルバム「スピード・オブ・サウンド(Wings at the Speed of Sound, 1976)」に収録され、

本日の一曲 vol.220 パティ・スミス ビコーズ・ザ・ナイト (Patty Smith: Because The Night, 1978 cf. Bruce Springsteen)

本日ご紹介する曲は「ビコーズ・ザ・ナイト」ですが、この曲はもともとブルース・スプリングスティーンさんの曲でしたが、完成できなかったために、パティ・スミスさんに投げて、パティ・スミスさんがレコーディングをして、こちらが先にヒットしたという経緯があります。曲調は、ブルース・スプリングスティーン節ですが、ブルースさんは、歌詞で行き詰まったようです。 パティさんは1946年12月30日生まれ、ブルースさんは1949年9月23日生まれとほぼ同世代の二人ですが、この曲をつないだのは、ジ

本日の一曲 vol.217 フランク・ザッパ イースターのスイカ (Frank Zappa: Watermelon in Easter Hay, 1979)

フランク・ザッパさんは、1940年12月21日生まれのミュージシャンで、1993年12月4日、52歳の若さで早世しました。ロック・ミュージシャンというよりも、現代音楽の作曲家と言ったほうが間違いないと思います。フランク・ザッパさんの音楽は、複雑怪奇な部分もたくさんありますので、なかなかカバーしづらく、後進のミュージシャンがフランク・ザッパさんの音楽を追体験するということも少ないのが残念なところです。 そこで、もっとフランク・ザッパさんの音楽を聴いてほしいということで、フラン

本日の一曲 vol.216 吉田美奈子 時よ (1976)

吉田美奈子さんは、1953年生まれのシンガーで、音楽的には、はっぴいえんど周辺の出身です。1973年に細野晴臣さんのプロデュースでファースト・アルバム「扉の冬」をリリースしましたが、その透明感の溢れる歌声から、コーラス隊としてもひっぱりだこでした。 特に、同年生まれの山下達郎さんとのタッグではたくさんの名曲があります。本日ご紹介する「時よ」は、吉田美奈子さんの作詞作曲ですが、この録音より前に、山下達郎さんのライヴ盤「IT'S A POPPIN' TIME」で、吉田美奈子さん

本日の一曲 vol.215 XTC ヘリコプター (XTC: Helicopter, 1979)

XTCは、ギターのアンディ・パートリッジ(Andy Parttridge)さんとベースのコリン・モールディング(Colin Moulding)さんを中心に結成されたイギリス・イングランドのスウィンドン出身のバンドです。本日ご紹介する「ヘリコプター」が収録されているのは、1979年にリリースされた彼らの3枚目のアルバム「ドラムス・アンド・ワイアーズ(Drums and Wires)」で、このアルバムには、ヒット曲「がんばれナイジェル(Making Plans for Nigel

本日の一曲 vol.214 四人囃子 カーニバルがやってくるぞ(パリ野郎ジャマイカへ飛ぶ) (1976)

四人囃子の「四人」とは、ギターの森園勝敏さん、ドラムスの岡井大二さん、ベースの中村真一さん、キーボードの坂井秀実さんのことで、高校生の頃から活動を始め、18歳にして、ピンク・フロイド(Pink Floyd)の「エコーズ(Echoes)」を完璧に演奏できるバンドとして名を馳せていました。 四人囃子には、1974年にリリースされたメジャー・デビュー・アルバム「一触即発」という大傑作がありますが、四人囃子は、以降、メンバーチェンジを繰り返し、やっている音楽もだんだんと変化していっ

本日の一曲 vol.211 エルヴィス・コステロ ノー・アクション (Elvis Costello: No Action, 1979)

エルヴィス・コステロさんは、1954年8月25日、イギリスのリヴァプールに生まれ、1977年にデビュー、現在まで音楽活動を続けています。本日ご紹介するのは、「エルヴィス・コステロ・アンド・ジ・アトラクションズ(Elvis Costello & The Attractions)」名義でリリースしたアルバム「ティス・イヤーズ・モデル(This Year's Model)」の1曲目に収録された曲です。まさに「エルヴィス・コステロ劇場」のオープニングにふさわしい曲です。 エルヴィス

本日の一曲 vol.209 ホール&オーツ ウェイト・フォー・ミー (Daryl Hall John Oates: Wait For Me, 1979)

「ウェイト・フォー・ミー」は、1979年にリリースされたアルバム「モダン・ポップ(X-Static)」に収録され、シングルカットもされた曲です。「ウェイフォミ」「ラララララ」のメロディーが耳に残ります。 ダリル・ホール&ジョン・オーツは1970年代後半から1980年代前半までヒット曲を連発し、日本でもとても人気のあった「ブルー・アイド・ソウル」のデュオです。しかし、昨年、その二人が当事者となって訴訟をしており、ファンとしてはとても残念です。 収録されたアルバムのジャケット