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本日の一曲

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さくらMusic officeでは、新企画「本日の一曲」をスタートしました! この「本日の一曲」では、ジャンルにこだわらず、時にはアーティストや時代背景にも触れながら、誰もが知…
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2023年9月の記事一覧

本日の一曲 vol.52 ジェームス・ブラウン ファンキー・ドラマー (James Brown: Funky Drummer, 1970)

本日ご紹介するのは、「ミスター・ダイナマイト」「ファンクの帝王」ジェームス・ブラウンさんの曲です。彼の本当にたくさんある楽曲の中から、もはや終わってしまった「タモリ倶楽部」の名物コーナー「空耳アワー」の傑作とされる「ファンキー・ドラマー」です(問題の箇所😊は1:16あたりからです)。 お聴きになればおわかりになると思いますが、グルーヴ感のあるリズムに、旋律がほとんどない歌をのせ、ほとんどワン・コードで曲が進むという作りになっています。現在では、ヒップ・ホップ(Hip hop

本日の一曲 vol.51 松村雄策 苺畑のヒッチハイカー (1979)

松村雄策さんは、音楽誌「ロッキング・オン(rockiin'on)」の創刊メンバーの一人で、バンド活動や執筆活動もしていた人ですが、何よりも「ビートルズファンの第一人者」という人です。楽曲については、サブスクに対応されていませんので、以下のリンクでご覧になってください。 松村さんは昨年2022年3月12日にお亡くなりになりました。 松村さんのビートルズ、メンバーの4人に対する考察については、松村さんの右に出る者はいないといってよいでしょう。本日ご紹介する「苺畑のヒッチハイカ

本日の一曲 vol.50 T.レックス ロウ・ランプ (T.Rex: There Was A Time / Raw Ramp / Electric Boogie, 1971)

本日ご紹介するのは、T.レックスという、かつてグラム・ロックと呼ばれていたムーヴメントの代表的なバンドで、マーク・ボラン(Marc Bolan)さんがボーカルとギターを担当していたバンドです。T.レックスの前身は「ティラノサウルス・レックス(Tyranosaurus Rex=ティラノサウルスの王)」というアコースティック・ギターとボンゴの2人組のバンドで、グラム・ロック(「グラム」とは「グラマラス(glamorous)」からきています)というよりは、フォーク・ロックといった感

本日の一曲 vol.49 モーツァルト レクイエム (Mozart: Requiem, 1791)

音楽家、ミュージシャンを主人公にした映画はたくさんありますが、その中の最高傑作はやはりヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)の青年期以降を先輩音楽家のアントニオ・サリエリ(Antonio Salieri)の視点から描いた「アマデウス(Amadeus)」(ミロス・フォアマン(Miloš Forman)監督、モーツァルト役はトム・ハルス(Tom Hulce)、サリエリ役はF・マーリー・エイブラハム(F. Murray Abrah

本日の一曲 vol.48 フジファブリック 茜色の夕日(2005)

2009年12月24日に突然亡くなってしまったフジファブリックの志村正彦さんが初めて自分で納得した楽曲です。 このビデオは2005年に「FAB FOX」が発表される直前にシングルとして発表されたバージョンですが、作曲自体は、志村さんが富士吉田市から上京したころにされたようです。志村さんは、メジャーデビュー前に高円寺のライブハウス「Los Angels Club」でバイトをしていましたが、そこで氣志團の綾小路翔さんといっしょだったそうです。志村さんは、上京後バンド活動をしてい

本日の一曲 vol.47 矢野顕子 いろはにこんぺいとう(1977)

1976年に発表されたファースト・アルバムの「JAPANESE GIRL」、ライブ盤の「長月 神無月」につづいて、1977年に発表されたスタジオ録音のセカンド・アルバムです。赤い服を着てイルカを担ぎ、不敵な笑みを浮かべているジャケット写真が印象的です。 元の夫の坂本龍一さんから「天才」と言わしめた人なので、その音楽は聴いてもらうほかないでしょう。後に「ふりむけばカエル」などの歌詞を提供した糸井重里さんと坂本さんとの対談がおもしろいです(ほぼ日刊イトイ新聞)。 さてアルバム

本日の一曲 vol.46 Classical Music // Reference Recording (2014-)

クラシックの音盤愛好家にとって注目すべきYouTubeチャンネルがありますのでご紹介します。どうやらフランスのレーベルのようなんですが、「Classical Music//Reference Recording」 というチャンネルです。 前(vol.28)にクレンペラーの音盤を紹介しましたが、それもここのチャンネルのものでした。今日私のYouTubeのおすすめにショスタコーヴィチの交響曲全集、しかもコンドラシン指揮のものが出てきて、ちょっと感動しましたので、ご紹介しようと思

本日の一曲 vol.45 Hiromi (上原ひろみ) Tiny Desk Concert (2023)

憧れのジャズ・ピアニストHiromi(上原ひろみ)さんの新しいプロジェクト「Hiromi's Sonicwonder」によるライブ演奏の動画です。まだ今月上がったばかりの動画です。 遊んでいるようにも見えますね! 「笑っていいとも」のテレフォンショッキングに出演されたとき(2011年4月19日)にたまたま観ていましたが、タモリさんもぞっこんの様子でした。彼女が16歳のときにチック・コリア(Chick Corea)さんと出会ったときのことなどをお話になっていましたが、まさに

本日の一曲 vol.44 クリス・スペディング 夢のギター・ジャンボリー (Chris Spedding: Guitar Jamboree, 1976)

本日ご紹介するクリス・スペディングさんは、1944年にイギリスで生まれたロック・ギタリストですが、数多くのミュージシャンのレコーディングに参加するセッション・ギタリストとしての仕事が多かった人です。 そんな彼が1976年にご自身のソロ名義でアルバムを発表し、その中に本日の「夢のギター・ジャンボリー(Guitar Jamboree)」という1曲が収録されていました。この曲は、かわいらしいリズムとコード進行で、彼のギター・ヒーローのフレーズを弾きまくるという曲です。意外と人気の

本日の一曲 vol.43 プロコフィエフ ヘブライの主題による序曲 (Prokofiev: Overture on Hebrew Themes, 1920)

先日(vol.38)は和の土俗的要素のある楽曲のご紹介でしたが、本日は西洋、ユダヤを感じる「ヘブライの主題による序曲」をご紹介したいと思います。 作曲者はS.プロコフィエフで、ユダヤ民族に伝わる旋律を取り入れ見事にユダヤを表現した1曲です。クラリネットによる、この曲のテーマフレーズとも言えるヘブライ(ユダヤ)を瞬時に彷彿させる特徴的なメロディから始まり、中間部にピアノとの弦楽器との美しいハーモニーが奏でられます。元々の編成はクラリネット、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、ピ

本日の一曲 vol.42 渡辺真知⼦ かもめが翔んだ⽇ (1978)

本日ご紹介する曲は、「この木なんの木、気になる木」の伊藤アキラさん作詞、渡辺真知子さん自身の作曲からなる渡辺さんのセカンド・シングル「かもめが翔んだ日」です。いきなり昂揚感あふれる導入部から始まる印象的な曲です。 この曲が発表された1978年から1979年は女性ボーカルの曲が豊作でした。おそらく高橋真麻さんのレパートリー群だと思います😄 コロッケさんの定番になってしまった岩崎宏美さんの「シンデレラ・ハネムーン」(1978年)。 ハイトーンが美しい八神純子さんの「みずいろ

本日の一曲 vol.41 ベートーヴェン 交響曲第1番 (Beethoven: Symphony No.1, 1800, by Toscanini, Marcel Simader & Les Passions de l'Âme)

ベートーヴェンの交響曲第1番は、ベートーヴェンが29歳のときに作曲したものですが、ピアニストとして生計を立てながら、作曲の勉強をし、はじめての交響曲を作曲したということになります。初演は、1800年に彼自身の指揮で演奏されたようです。 まず古い録音ですが、ザクザクと音が鳴っているようなアルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini)指揮NBC交響楽団(NBC Symphony Orchestra)の1939年の演奏を紹介します。さすがに1939年の録音ですので

本日の一曲 vol.40 柴咲コウ: 月のしずく (2003)

塩田明彦監督の映画「⻩泉がえり」の劇中歌です。 この曲は松本良喜さんの作曲ですが、松本さんには同時期に中島美嘉さんが歌った「雪の華」もあり、この年の日本レコード大賞で、2曲で金賞と作曲賞のダブル受賞を果たしました。 ところで、映画「黄泉がえり」の原作は、梶尾真治さんの小説「黄泉がえり」ですが、この小説は、1999年に「熊本日日新聞」に連載された新聞小説で、熊本に地震が起きたことをきっかけに死んだ人が生き返る、黄泉から帰ってくる、というお話です。そして、映画「黄泉がえり」は

本日の一曲 vol.39 エルガー:チェロ協奏曲 (Elgar: Cello Concerto, 1918)

エルガーのチェロ協奏曲は、「威風堂々」と並んで、エルガーの代表曲だと思います。しかし、1918年の作曲当時は、第1次世界大戦後であり、精神的に芳しくなく、健康も害していた上、1919年10月の初演の演奏会も成功とはいえなかったようです。エルガーは、1934年2月23日に亡くなりますが、この曲はしばらく埋もれてしまっていたようです。 ところが、1961年、まだ16歳だったジャクリーヌ・デュ・プレさんがデビューし、このチェロ協奏曲をすばらしく演奏したことから、この曲自体も有名に