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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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#ピアノ三重奏曲

本日の一曲 vol.332 ピアノ・トリオ集補遺 ハイドン ピアノ三重奏曲第40番 (Franz Joseph Haydn: Piano Trio No.40 Hob.XV:26, 1795)

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)さんのピアノ三重奏曲第38番(Hob.XV:24)・第39番(Hob.XV:25)・第40番(Hob.XV:26)の3曲は、ハイドンさんの2回目のロンドン・ツアー(1794~1795)の最後の数週間に作曲されたもので、当時のハイドンさんの恋人だった在英のレベッカ・シュローター(Rebecca Schröter, 1751-1826)さんに献呈されたものです。 レベッカさんは、ピアニストであったヨハン・サミュエル・シュローター

本日の一曲 vol.107 ピアノ・トリオ集 (5/5) ブラームス ピアノ三重奏曲第3番ハ短調 (Johannes Brahms: Piano Trio No.3 c moll, 1886)

1886年、前年に最後の交響曲である第4番を完成させた53歳のブラームスさんは、スイスのトゥーン湖に避暑に訪れます。 ブラームスさんは、しばらくここで作曲活動にはげみ、このピアノ三重奏曲第3番作品番号101のほか、チェロ・ソナタ第2番やヴァイオリン・ソナタ第2番なども書き上げられました。 プラハ・グァルネリ・トリオによる演奏です。ちょうど3番に飛ぶように設定してあります。 この動画には、他のピアノ三重奏曲も収録されていますので、他の曲もお聴きになってみて下さい。ブラーム

本日の一曲 vol.102 ピアノ・トリオ集 (3/5) チャイコフスキー ピアノ三重奏曲 偉大な芸術家の思い出に (Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Piano Trio a moll In memory of a great artist, 1882)

ピアノ・トリオ集の3曲めは、チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出に」です。この曲は、5歳年上の友人のピアニストであるニコライ・ルビンシテイン(Nikolai Rubinshtein)さんが1881年に46歳で亡くなってしまったことを悼んで作曲されたものです。このときチャイコフスキーさんは、まだ40歳でした。 追悼の音楽ですので、悲しむ第1楽章と偲ぶ第2楽章からなっています。この曲の録音はたいがいピアノ、ヴァイオリン、チェロの名手が集まって弾いています。YouTubeで音

本日の一曲 vol.97 ピアノ・トリオ集 (1/5) メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番ニ短調 (Felix Mendelssohn: Piano Trio Nr.1 D moll, 1839)

ピアノ三重奏曲(ピアノ・トリオ)という分野の名曲を5曲紹介していきたいと思います。今回は第1曲目として、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番ニ短調です。 メンデルスゾーンは、1809年にユダヤ人の家系に生まれ、1947年に38歳で早世してしまった作曲家で、おそらく最も有名な曲は結婚行進曲でしょう。この曲が入った真夏の夜の夢は前にご紹介しました。 このピアノ三重奏曲も、メンデルスゾーンの有名曲の一つです。通称「メントリ」と呼ばれてます。この曲の出だし、チェロが抒情的なメロ