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本日の一曲 vol.102 ピアノ・トリオ集 (3/5) チャイコフスキー ピアノ三重奏曲 偉大な芸術家の思い出に (Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Piano Trio a moll In memory of a great artist, 1882)

ピアノ・トリオ集の3曲めは、チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思い出に」です。この曲は、5歳年上の友人のピアニストであるニコライ・ルビンシテイン(Nikolai Rubinshtein)さんが1881年に46歳で亡くなってしまったことを悼んで作曲されたものです。このときチャイコフスキーさんは、まだ40歳でした。

追悼の音楽ですので、悲しむ第1楽章と偲ぶ第2楽章からなっています。この曲の録音はたいがいピアノ、ヴァイオリン、チェロの名手が集まって弾いています。YouTubeで音源を探してみましたが、ジャニーヌ・ヤンセン(Janine Jansen)さん、ミシャ・マイスキー(Mischa Maisky)さん、デニス・コジュヒン(Denis Kozhukhin)さんの録音がありましたので、この録音を紹介します。

この曲以降、ロシアでは、故人への追悼曲として、ピアノ三重奏曲が作曲されるようになったとのことです。アレンスキー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチなど。ラフマニノフのピアノ三重奏曲は先日ご紹介しましたね。

「偉大な芸術家の思い出に」は、室内楽曲というジャンルにしては、たくさんの名手が録音していますので、お好きなアーティストが演奏しているものを探してお聴きになってみて下さい。以下、敬称略。

デュ・プレ、バレンボイム、ズッカーマン。

パールマン、アシュケナージ、ハレル。

アルゲリッチ、クレーメル、マイスキー。

ハイフェッツ、ピアティゴルスキー、アルトゥール・ルービンシュタイン。

ギレリス、コーガン、ロストロポーヴィチ。

などなど。

さて、ニコライ・ルビンシテインさんといえば、チャイコフスキーさんの代表曲ピアノ協奏曲第1番変ロ短調を「陳腐で不細工、役に立たない代物で貧弱な作品で演奏不可能」(それにしても最大限の酷評ですね!)と貶したことで有名ですが、虫の居所が悪かったんでしょうかね。

こちらの曲については、また後日にご紹介したいと思います。

(by R)

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