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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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2024年6月の記事一覧

本日の一曲 vol.322 テンシュテットのワルキューレ第1幕 (Richard Wagner: Die Walküre Act 1, 1870 cond. Klaus Tennstedt)

「ワルキューレ」は、リヒャルト・ワグナー(Richard Wagner)さんの4部作「ニーベルングの指環(Der Ring des Nibelungen)」の第1夜の作品です。「ニーベルングの指環」については、以前ご紹介したことがありました。 この「ニーベルングの指環」のうち、第1夜「ワルキューレ」の第1幕は、「指環」の中でもドラマティックな構成になっていること、全体で約1時間であること、歌手が3人しか出てこないこと、などから、演奏会形式で取り上げられることがあり、レコード

本日の一曲 vol.320 ヴィヴァルディ 6つのヴァイオリン協奏曲 作品12 第1番 (Antonio Vivaldi: Sei concerti Op.12 No.1, 1729)

ヴァイオリン学習者が学習する2曲目のヴィヴァルディは、このト短調(g moll)の協奏曲です。これは1729年に出版された「6つの協奏曲集」の中の1曲ですが、この協奏曲集の構成は以下のとおりです。 協奏曲第1番ト短調(RV317) 協奏曲第2番ニ短調(RV244) 協奏曲第3番ニ長調(RV124) 協奏曲第4番ハ長調(RV173) 協奏曲第5番変ロ長調(RV379) 協奏曲第6番変ロ長調(RV361) スズキメソードでは第5巻に収録されていますサラ・チャン(Sarah C

本日の一曲 vol.317 ヴィヴァルディ オーボエ協奏曲ニ短調 (Antonio Vivaldi: Oboe Concerto RV454, 1723)

本日ご紹介するオーボエ協奏曲は、アントニオ・ヴィヴァルディさんの1725年に出版されたヴァイオリン曲集「和声と創意の試み( Il cimento dell'armonia e dell'inventione)」の中に収録された協奏曲第9番ニ短調をオーボエに置き換えたものです。 「和声と創意の試み」はヴィヴァルディさんの作品の中でも最も有名な「四季(Four Seasons)」が収録されているもので、構成は以下のとおりです。 協奏曲第1番ホ長調(RV269)「四季」「春」

本日の一曲 vol.315 ヴィヴァルディ 合奏協奏曲集 調和の霊感 作品3 第6番 イ短調 (Antonio Vivaldi: Concerti L'estro ar,onico" Op.3-6, 1711)

アントニオ・ヴィヴァルディさんの合奏協奏曲集「調和の霊感」作品番号3は、イタリアにあったトスカーナ大公国のメディチ家コジモ3世大公の長子のフェルディナンド・デ・メディチ大公子に献呈されたものです。 「調和の霊感」は1番から12番までの協奏曲からなっており、全部を演奏すると80分くらいになる上、「協奏曲」と名付けられていますが、様々なスタイルの協奏曲があるため、通しの録音ということになると、アンサンブル団体によるものが主流になります。 以下の協奏曲から構成されています。 第

本日の一曲 vol.314 クライバーのカルメン (Georges Bizet: Carmen, 1875. cond. Carlos Kleiber, 1978)

1978年12月にウィーン国立歌劇場で上演されたビゼー作曲の「カルメン」です。20世紀に残された最高のオペラ遺産です。約2時間34分の長丁場ですが、実際のオペラを鑑賞するように幕間に休憩を入れてご覧になるとちょうどよいかと思います。 序曲からして「闘牛士のテーマ」から始まりますので、どなたでもご存知のメロディーから始まり、難しい曲は一切なく、親しみやすく、かつ、ドラマチックな進行で最後まで突き進みます。 ざっくりとしたあらすじは、盗賊の魔性の女カルメンに振り回されてしまっ