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本日の一曲 vol.317 ヴィヴァルディ オーボエ協奏曲ニ短調 (Antonio Vivaldi: Oboe Concerto RV454, 1723)

本日ご紹介するオーボエ協奏曲は、アントニオ・ヴィヴァルディさんの1725年に出版されたヴァイオリン曲集「和声と創意の試み( Il cimento dell'armonia e dell'inventione)」の中に収録された協奏曲第9番ニ短調をオーボエに置き換えたものです。

「和声と創意の試み」はヴィヴァルディさんの作品の中でも最も有名な「四季(Four Seasons)」が収録されているもので、構成は以下のとおりです。

協奏曲第1番ホ長調(RV269)「四季」「春」
協奏曲第2番ト短調(RV315)「四季」「夏」
協奏曲第3番ヘ長調(RV293)「四季」「秋」
協奏曲第4番ヘ短調(RV297)「四季」「冬」
協奏曲第5番変ホ長調(RV253)「海の嵐」
協奏曲第6番ハ長調(RV180)「喜び」
協奏曲第7番ニ短調(RV242)「ピゼンデル氏のために」
協奏曲第8番ト短調(RV332)
協奏曲第9番ニ短調(Vn:RV236, Ob:RV454)
協奏曲第10番変ロ長調(RV362)「狩」
協奏曲第11番ニ長調(RV210)
協奏曲第12番ハ長調(Vn:RV178, Ob:RV449)

これを全部演奏するとなると100分を超えてしまうのですが、「四季」の春夏秋冬を演奏するとだいたい40分くらいで、その題名の通りのよさと、演奏会にもちょうどよい演奏時間だったので、その4曲だけ有名になってしまいました。この「本日の一曲」でも最初にご紹介したのが「四季」の「夏」から「夏の嵐」でした。

ヴィヴァルディさん自身は教育者だったため、ヴァイオリンのために作曲された曲をオーボエ奏者のレッスン用に流用したのだろうとは思いますが、オーボエに置き換えた理由ははっきりしません。

この協奏曲第9番(オーボエ協奏曲)ニ短調は、ランニング・ベースに乗って奏でられる印象的なメロディーから始まる曲です。フリッツ・シュナイダー(Fritz Schneider)さんのオーボエと、ヘルベルト・ケーゲル(Herbert Kegel)さん指揮ライプツィヒ放送交響楽団(Rundfunk-Kammerorchester Leipzig)の演奏です。

ヘルベルト・ケーゲルさんは、1920年7月29日にドレスデンで生まれた旧東ドイツの指揮者であり、1979年以降たびたび日本にも来日して、NHK交響楽団や東京都交響楽団などで指揮をしましたが、1990年10月のドイツ統一の直後の11月20日に拳銃自殺してしまいました。

このアルバムは、ケーゲルさんが首席指揮者をしていたライプツィヒ放送交響楽団の木管楽器奏者を中心に1975年にリリースされたものですが、オーボエ、ファゴット、フルートの協奏曲が収録されており、木管楽器ファンにおすすめします。

また、もともとのヴァイオリンのヴァージョンはこちらになります。「四季」を世界的に広めたイ・ムジチ合奏団(I Musici)の演奏で、ヴァイオリンはフェリックス・アーヨ(Felix Ayo)さんです。

(by R)

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