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【読書記録】一気にわかる!池上彰の世界情勢2020 自国ファースト化する世界編 要約

著:池上彰

学んだことを3つピックアップする。

①アメリカ大統領選挙の仕組み

アメリカの大統領選挙は「大統領選挙人」を選ぶ選挙。18歳以上の人に選挙権が与えられ、選挙管理委員会に登録できるようになり、選挙に参加できるようになる。二大政党のざっくりとした説明は以下の通り。

民主党:東西海岸に住むリベラル(進歩・革新的)な層。金融・テクノロジー。オバマ。

共和党:中部・西部・南部に住む保守的な層。農業・エネルギー・熱心なキリスト教徒。トランプ。

まず、各党の代表者の決め方だが、2-6月にかけて全米の50の州と首都ワシントンで「予備選挙」または「党員集会」が行われる。この予備選挙・党員集会で各州それぞれの党員(選挙管理委員会に申し込んだ人達)が自分が選びたい候補者に投票する。勝った候補者が、その州の代議員枠を総取りする州もあれば、獲得票数に応じて”代議員”の枠を比例配分する場合もある。それぞれの代議員の獲得人数が決まってから、各候補(=勝った候補)の支持者が代議員(複数人いる)になる。

この結果、各候補をそれぞれ支持している代議員の獲得人数の多い方が有利に立つことになり、途中で勝ち目がないなと思った候補者は撤退していく。「スーパーチューズデー」とは3月の第一火曜日に、10を超える州で「予備選挙」「党員集会」が同時に行われるので、予備選挙の過程で大きな山場となる日。

各州で予備選挙が行われた後「全国党大会」で全国の代議員が集合し、党公認の大統領候補を決める。

その後の本選挙(民主党と共和党の争い)では各州に割り当てられている「大統領選挙人」を支持の多かった候補者が総取りできる。選挙人の数は週の人口によって異なる。


②なぜ台湾では民進党の支持が高まってきているのか?

台湾は親中国寄りの国民党(=中国共産党に負けたが元々は中国は一つという考え方をしている人達)から民進党の支持が高まってきている。

その背景には香港の中国返還問題を目の当たりにしたことによる影響が大きい。鄧小平が50年間は香港の自由を保障すると言ったにも関わらず、香港の行政長官は中国共産党の言うことを聞く人物しかなれず、その行政長官が"犯人引渡し条例"を作ろうとしたために大規模なデモが発生した。まだ22年しか経っていないのに次第に自由が奪われてきている危機意識が芽生えてきている。香港で混乱が続いた場合「治安を守る」という名目で中国から武装警察が入ってくるかもしれないことが心配されている。


③なぜイスラム国は誕生したのか?

イラクにはアラブ人・クルド人が住んでおり、アラブ人はスンニ派とシーア派に分かれている。アラブ人のうち、シーア派は6割でスンニ派は2割。フセイン大統領はスンニ派でシーア派をいじめていた。イラクで大量破壊兵器が作られているという名目の元、イギリスとアメリカがイラクを攻撃。フセイン政権は倒れる。その後、シーア派を中心としたマリキ政権が誕生。フセイン元大統領の死刑動画を撮影していた人がおり、その動画が拡散。一部の人にとってはシーア派が仕返しのためにやったのではないか?という風に見え、スンニ派の人たちが怒り始める。またイラク国内にはアメリカを恨んでいる人たちがいる。なぜなら、アメリカはフセイン政権を倒した後にバース党(スンニ派)の公職追放を行ったことにより職を失った人たちからの反感を買ったからだ。

選挙を行うとマジョリティを占めるシーア派が勝ち、要職もシーア派が占めるようになる。形勢が逆転したことによってシーア派からスンニ派への復讐が始まった。スンニ派の住民がシーア派の警察官から銃で打たれるなどの事件も起きるようになった。これによりスンニ派の中で武装勢力が生まれることになる。さらにこの中で過激派が生まれ、これが「イスラム国(IS)」となった。

これに加え「アラブの春」が飛び火したシリアでは、独裁者のアサド大統領が軍隊を使って民主化を求める市民を弾圧。シリアの多数派はスンニ派。アサド大統領はアラウィー派(≒シーア派)。やがてシリアの「アラブの春」はアラウィー派対スンニ派に変わっていく。またシリア軍の中で自国民に銃を向けることに不満を持った人たちが「自由シリア軍」を結成。これによりアサド政権(アラウィー・シーア派) VS 自由シリア軍(スンニ派)の構造が出来上がった。民主化を支援するアメリカ・イギリス、スンニ派のサウジアラビアは自由シリア軍を支援。一方、シーア派のイランとシリアに軍の基地があるロシアはアサド政権を支持した。「イラクのイスラム国(ISI)」はシリアの内戦を好機と捉えて「イラクとシリアのイスラム国(ISIS)」と名前を変えてシリアに進出。ISIS(スンニ派)はアサド政権(シーア派)だけでなく、自由シリア軍も攻撃して、自由シリア軍からアメリカの最新兵器を奪い取って、再び「IS」に名前を変えた。ちなみにイラクはシーア派だが、体制としては反米になっている。サウジアラビアはスンニ派で親米。


【その他】

国際原子力機関(IAEA) :核兵器を作っていないか査察する団体。

トランプ大統領の政策:アメリカ大使館をエルサレムに移した・非常事態宣言を出して、メキシコとの国境に壁を作った・他国に対して関税を強化した・パリ協定から離脱した・北極圏の利権を取りに行こうとしたが乗り遅れた。

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