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【図解】理系初心者ダイバー向けダイビングで中性浮力を取る方法

こんにちは。サイパンのマリンスポーツショップSAKURA MARINE のインストラクターAKARIです。

先日、PADIがオンライン講座でピークパフォーマンスボイヤンシー(究極の中性浮力)を開催するって言うから、無駄に対抗心を燃やして『オンライン講座で出来るなら、マンガでも伝えられるんじゃ?』と書いたこともないマンガを描き始めるって言うね。

今まで1000人以上のダイバー認定をしてきた中でこの『中性浮力』のスキルの伝え方もいろいろ引き出しがあるわけで、今回は理系ダイバーさん向けに書いてみましたよ。

ちなみに『中性浮力』とは、浮きも沈みもしない状態ってことです。これができるようになるとダイビングが100倍楽チンになります。

『中性浮力』って自転車に乗れるようになるみたいなもので一度コツをつかむとしばらくぶりにダイビングに行ってもできます。

自転車に乗る方法をイラストと文字で伝えようとしている時点で無理ゲー確定な気がしますがとりあえず、スタート。

息を吸ったら身体が浮いて、吐いたら沈むっていう話

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ダイバーは浮袋を使って浮力を調整します。人工的な浮袋はBCDと呼ばれる浮力調整ジャケット。

浮力調整ジャケットに空気を出し入れするには、手間もかかるし、入れる空気ももとをただせば吸うために水中にもっていった空気なので、簡単に経済的に浮力を調整するには『肺のコントロール』という方法を使います。

『肺のコントロール』なんてカッコイイ言い方してるけど、要は吸ったら浮く、吐いたら沈むってことなんですけどね。

浮力には時差がある

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ここでダイバーを悩ませるのは、浮力が実際に現れるまでには時差があるっていう事実。

息を吸ったら浮くには間違いはないのですが、吸ってから時間差で身体が浮き始めるんです。

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時間にすると2~3秒くらいかな。実際には吸い込むスピードや体格や体勢にもよります。

さて、下の図の黄色い点にご注目ください。

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黄色い点のダイバーは、すでに息を吸いきっているので次の瞬間からはもう吐き出す気持ちです。身体も浮いてきているので『あぁ、やっぱり吸ったら身体は浮いてくるんだなぁ!』ということを実感されていることでしょう。

運命の分かれ道

さぁ、問題はその先にあります。人生とは一瞬先は闇。2年半ぶりに直行便が就航したサイパン観光マーケットが『これからV字回復だ!』と勢いづいた矢先に、たった4か月でバンデミックで直行便が無期限運休、入国制限がすでに7か月も続くなんて誰が想像したことでしょう。

先ほど、順調に肺一杯に吸った空気を吐き出して身体は沈むもんだと思いこんでいたダイバーさんは、思ったより沈まない身体、いやむしろ吐いているのに浮き続けるという事態に軽くパニック状態。

この時間、わずか数秒の出来事です。

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浮き上がってしまう恐怖に耐えきれず、体勢を崩して身体を起こしてしまったり、急いでBCDに入っていた空気を抜いてしまったり、焦って無意識に足をバタつかせてしまったりとパニック状態でその時一番選んではいけない選択肢を選んでしまうのです。

そして、急浮上。その後沈めない。流れや波があることが多い水面でのつらい体験。離れていく自分のグループ。焦って潜降しようとすればするほど抜けない耳・・・。

雪だるま式に大きくなるトラブル・・・。

この運命の分かれ道は、もちろん逆サイドにも待ち受けていますよ。

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浮き始めると思っていたのに、思ったより浮かない身体。迫りくる『サンゴを自分が蹴って破壊してしまうかも』という恐怖。思わずBCDに空気を追加。時差でやってくる肺の空気の浮力による上昇。そのあとに遅れてやってくるさっきうっかり追加してしまったBCDの空気の浮力による加速上昇!

完全に負のループです。

浮いてしまうという恐怖を一度味わってしまったダイバーは、その呪縛から逃れることができず次のダイビングからウェイトを重めにつけることになります。

ウェイトが重いのでもちろん1ダイブ終えるとヘトヘトです。人より荷物が多い状態で泳いでいるのできっと空気の消費量も多くなってしまう人もいるかもしれません。

良いこと一つもなし。

この『負のループ』から抜け出す方法。次号に続きます♪

終わりに

中性浮力のコツをつかめないままダイビングを続けることは、自転車にうまく乗れていないのにサイクリングに行くようなもので楽しい思い出はある程度作れるとは思いますが、シンドイ思いをする場面も多くあると思います。

今日は、理系初心者ダイバー向けの説明を記事にしましたが、もっと感覚的な説明方法もあったりします。

次回はまた違った切り口から書きますので、良かったらフォローをお願いします。


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