「障害」ってなんだろう①

なかなか外出もままならない今日この頃、私は、前々からやりたいと思って手が回らなかった事務仕事などをして過ごしています。
夫がやっているNPO（視覚障害のある人が通う事業所をやっています）のホームページの作成、手直しなども最近がんばってみていて。→こちら
私はホームページ作りにもともと詳しいわけではありませんが、トップの写真をスライドさせたりお知らせ欄を作ったり、色々試行錯誤しながらやってみてボチボチと改善、「うーむ、これはもしや、天才ではないか…」とひとりごちながら作業を進めております。
（※ちなみに簡単なホームページ作りのお手伝いをする仕事も始めましたのでぜひご用命くださいませ～。　こちら）

「障害者」ではない人を表す言葉って？

「ホームページに書く文章も気になるところがあったら直して」と言われていたので、読み進めていくと、イベントのページにこんな記述がありました。
こんな人が当団体のイベントに参加してますよ、という説明です。
「視覚障害がある方はもちろん、その他の障害がある方、家族や友人、そして…」
そして…上に書いた以外に、他にどんな人がイベントに参加するんだと思いますか？

最初の文案には「健常者」と書いてありました。
つまり、参加できるのは障害のある人だけではないよ、関心のある人はだれでも参加できるよ、と言いたいわけですね。
で、「障害者」以外の人をどう言い表すか、というところで、一番短い語数で使えるのは「健常者」なのだと思います。

でもこの言葉は、私はどうも引っかかるので、いつも使いません。
「常に健やか」というのは、どういうことなのかな？と思うから。

常に健やかな人って、どんな人だろう。
白い歯で笑うスポーツマン、みたいな感じ？
そうなると私なんかは、今日は「ホームページの編集なんかできちゃって、もしかして私は天才かも」と思っていますが、明日になれば、「あー、私なんか何もできないダメ人間だー。もう誰にも会いたくない！」と思ってたりするので、常に健やかですとはいえないなと思う。
でもそうしたら、白い歯で笑うスポーツマンだって、心の中では煩悶してるかもしれないし、「私は常に健やか」と言える人なんているのかしら、と。
逆に、障害者に対する言葉が「健常」であるならば、障害のある人は健やかではないのか、ということも気になってくる。
なのでひとまずこの言葉を使うのはやめよう、と。

じゃあ「障害者」じゃない人のことをなんて呼ぶの？

ということになるわけです。
なかなか最適解が見つからないので、私が便宜上よく使っているのは「障害のない人」という言い方。
でもさ、これもまた、よく考えてみると、分からなくなってくるわけです。
「障害がない」って、なんだろう？と。

この前、私が代表をしている団体で、障害のある人の住まいというテーマでオンラインイベントをしたんですが、（こちらからアーカイブが見られます。）
この中で（動画の1時間30分くらいのところ）、コーディネーターをしてくれた関根さんが「障害のない人」と言った後に「定型発達の人」と言い換えていて、なるほどな！と思いました。こういう形が定型的、と想定されている形で発達したかどうか、ということは分かりやすいなと。

でも、イベントの案内に、「定型発達の方もぜひご参加ください！」と書くのはそれまた分かりづらいか…。

障害って何？

だいたいそもそも、障害者かそうじゃないかを分ける意味って何なんでしょうね。
もっというと障害って何でしょうね。
ひとつには、目が見えない、耳が聞こえない、歩けない、などの機能的な部分の違いはあるかもしれない。
そういう違いに伴って、例えば目が見えない人と一緒に過ごす時に、「見てよ、あれ」というように指示語で言っても伝わらないのだから、できるだけ具体的に説明する必要がある。
こういう、「あなたと私の違い」が分かることでコミュニケーションがしやすくなるということがあるでしょう。
でも、互いを知り、生きやすくすること以外に、分ける意味ってあるのかどうか。
違いがあるという意味では、誰にでもいろいろな個性や得手不得手もありますしね。例えば私は極端に片づけが苦手です。たぶん本当は一人で頑張るより何かサポートを得たほうが良いんだろうと思うくらい片づけができないです。
きっと誰にでもできること、できないことにはグラデーションがあって、どこから障害って線を引くのか、私は障害がないのか？など考え始めると、もうほんとに分からなくなってきます。

あなたなら、どう表現しますか？

ひゃー。分からない。じゃあ、本当に簡単なのは、手帳の有無での線引き！？
「障害者手帳のある人もない人も…」うーむ！？
もう、ホームページ作りの手が止まってしまって、夫に、「なんて表現したらいいのっ！？」と言ったところ、「うーん、障害がないと思ってる人、かな」との答え。
うーん…！？
あなたなら、どう表しますか？あるいは表さないで良いと思いますか？

障害って、なんだろう…っていう話は、次回も続けたいと思います。