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シーズン オブ ザ・ウィッチ

「シーズン オブ ザ・ウィッチ」 

ピーター・ビーバガル著、伊泉龍一訳、駒草出版

ロックとオカルトの関係について広い視点から記述された本です。
1950年代から21世紀のポピュラー・ミュージック(含む前衛)、
それらにどの様にしてオカルトの要素が
取り込まれてきたかを知ることができます。

60年代~70年代にオカルトとロックが強く結び付けられたのですね、
ドラッグを使用することで知覚の扉が開き、
そこに魔術やオカルトが入ってきたのだと思いました。

何故、西欧社会でオカルトがこれほど魅力的で
反抗的なイメージと結びつくのか、
それはキリスト教のルールに従わないからなのでしょう。
戒律や信仰があるからこそ、それに反抗する勢力が出てくるという、
不思議なパラドックスを感じます。

この本を読めば、米国と英国のロックの歴史の
ある側面を知ることが可能です。
オカルトについての記述は非常に専門的で、
グノーシス思想、カバラ、イルミナティ、フリーメーソン、
薔薇十字会等について詳しく記載されています。
カバラについてはマドンナが90年代に勉強していることを
オープンにしています。
オカルト的イメージは人々を魅了し、
さらに音楽への興味をそそるのかもしれません。

ツェッペリン、アリス・クーパーからサイキックTV、コイルまで
メジャーからカルトバンドまでフォロー数が凄い書籍です。
索引に載っている楽曲やバンド名をYoutubeで探して
聴くのが本書のおすすめの楽しみ方ですね~
この様なカルトで素晴らしい本を翻訳し、
出版して頂きありがとうございます。

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