「知ってもらえる安心感」漢方診療日記111回

先日、お世話になっている禅寺の住職から、どうしても「往診に行ってほしい」と連絡があった。話を聞くと、知人が鬱(うつ)だと言う。一代で企業を立ち上げた、社交的な人物だという。その人物の秘書からの伝言は「鬱になり、身体が痛いというので、話だけでも聞いてやってほしい」とのことだった。
 基本的に私は往診はしないが、いつも禅を指導してくれる老師の頼みなので断りきれず、出向くことにした。
年齢79歳、男性ー。数年前から体調が優れず、疲れがたまるようになった。食欲も減退し、痩(や)せてきたという。

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