ジャニーズ性加害問題へのお気持ちと発見

 ジャニーズの性加害問題については、今更説明するまでもないので、個人のお気持ちの話をしていこうと思う。

 私にとってジャニーズの性加害問題の噂は、ネットを始めてしばらく経ったあたりで自然と目に入り、頭の中に残っていた。ただ当時のネットは今のように画像や動画をホイホイ載せられる環境ではないので、何の信憑性もない2ちゃんねるの書き込み、つまりは「便所の落書き」でしかなかった。
 世代としてはラルクやGLAYといったバンドが学生時代に人気だった頃の生まれなので、彼らに関する噂もネットをやっていると自然と目に入って来た。やれこのメンバーは整形してるだの本名はこれだだの……卒アル画像が流出して整形するまでもなく子供の頃から美形だったと分かればその噂は消え、今度は身長いじりが出て……。ジャニーズの噂も、これと同じで芸能人に対する一般人の僻みから来る言いがかりのようなものだと思っていたのだ。
 そして、マイケル・ジャクソンの事例。死後に「性的虐待されていた!」と訴える者が出てきたが、証言だけでは証拠にはならない。性犯罪は基本的に第三者の証明が難しい犯罪である以上、証言だけでは認められない。事実だったのかどうか、私からは何も言えない。
 しかし、ジャニーズの話は故・ジャニー喜多川氏が生前の頃からほとんど事実であるかのように語られてきた。そして死後、芸能人や芸能関係者が「知ってたけど、暗黙の了解で言えなかった」と証言し始めた。おそらく、被害者の訴えは真実なのだろう……。

 そしてここからが私のお気持ちの話なのだが、正直な話をすると、ものすごく気持ち悪い……。女性アイドルが幼稚園児の格好をしてプロデューサー?の男性の膝の上に座っている画像もネットで見たことがあるが、あまりの悍ましさに反射的にブラウザの×を押してしまった。舞妓さんのときも同じで文章を読んでるだけでも気持ち悪くなって情報を遮断してしまった。無理無理無理無理。
 ジャニーズの性加害問題が叫ばれるようになって、自然とネットで画像が目に入るようになったのだが、裸踊りの画像を一瞬見てしまい、すぐにブラウザを消した。トランクスだけ穿いた、まだ中学生くらいの少年の画像をカタログみたいに並べてる画像も見てしまい、ドン引きしてすぐに(略。ジャニーズってこんな下品なことを平気で売り物にしてる集団だったんだ……と、今回の騒動で初めて知った。思春期の女子が王子様に憧れるようにきゃあきゃあ言う存在だと思っていたので、もっと王子様みたいな服を着ているのだと思っていたのだ。
 私も小学生の頃はSMAPの番組を見ていたが、別にそこから熱心なファンになったりしなかった。一番好きなコーナーは「ビストロスマップ」で、買ってもらった本もSMAPの写真集や雑誌ではなく、ビストロスマップのレシピ本だった。当時小学校4年生か5年生くらいだった気がするが、この頃からすでに「色気より食い気」なところがあったのだな、と当時を思い出して懐かしくなったりするなど。
 そして同時に記憶をたどって思い出した。嵐のビニール傘みたいな透明な、ほぼ上半身丸出しの衣装にも内心ドン引きしていたが、周囲は特に何も言わないので「こういうものかな」と思っていたが、やはりあれも、そういうことだったのかもしれない。記憶違いかもしれないと思って今念のために調べたが、やはりそういう衣装はあって、1996年のパリコレでもほぼ同じ衣装があったようだ。ゴツい白人男性が着たパリコレの衣装だと何とも思わないのに、日本人の男性アイドル(しかも当時全員まだ10代)の衣装となると途端に気持ち悪さを感じてしまう……。
 あとジャニーズかどうかも知らないが、最近改名を発表した「Sexy Zone」というアイドルグループの名前にもドン引きしていた。性的なものを何でもかんでも規制するのもよくないが、無難に、選択肢としては外しておくものじゃないか……? 誰がOK出したんだ……?
 私が三次元では洋画、それも性加害疑惑の欠片もない(愛妻家として知られている、とか)中年以降の男性俳優もしくは女性俳優による映画に興味を持ちがちなのも、そういうところにあるかもしれない。日本人だと生々しすぎるし、男女問わず「アイドル」という単語が入ると、上記の画像や記憶が脳裏にチラついてしまうというか……。

 そして思い出した。私はオタクでAセクAロマだが普通に男女恋愛や百合(女性同士の恋愛)も楽しむタイプで、しかしBL(男性同士の恋愛)だけは興味が無いし、苦手意識がある。AセクAロマといっても女子は好き(イヌかネコで言えばネコが好き、くらいの感覚で)なので、女子が登場しないBLに興味が無いのだと思っていたし、実際そうだ。
 だがそれだけではなかった。私は小学校5年生か6年生くらいの頃に、生々しい性描写も含むBL漫画雑誌を、そうとは知らずに買ってしまったことがある。そして中を読んで「え、何コレ……男同士で……? え……?」と困惑し、あるページを見て絶句し、しばらく引き出しの奥に封印し、やがて親にバレないようにこっそり捨てた。
 それはゲイ雑誌「さぶ」の広告ページだった。どう見ても中学生くらいの少年の上半身裸の写真。本当に困惑し、絶句した。「さぶ」が何なのかもまったく知らない頃だったが、前後に載っている性描写を含むBL漫画の数々から、それが性的な意味合いを持った写真であることは、小学生にも分かった。中学生くらいの男の子が、男性を性的に消費する(当時はこんな表現は無かったが)媒体に写真が載って、全国に流通している。その事実が気持ち悪すぎて無理だった。
 このことはずっと憶えていた(というか気持ち悪すぎて忘れようにも忘れられなかった)が、引き出しの奥に封印するように、考えないようにしていた。なんとなくBLに苦手意識を持って、学生時代の友人がBL好きでも、勧められても、私はハマらなかった。そしてジャニーズの性加害問題で、点と点が線で繋がってしまった。
 子供の頃に直接何か見たわけでもないが、同様の理由で女性アイドルも苦手だし、その苦手は二次元にも及んでいるせいで、アイドル系のコンテンツがどうしても無理。明らかに20代以上のプロデューサーが14歳くらいのアイドルとイチャついてる年の差作品が特に無理。どういい感じに描いても判断力のない子供を大人が誑かしているようにしか見えない。犯罪として描かれていないことが気持ち悪い。個人的なお気持ちだが、正直年齢が低い側が20代以上であっても、親子ほどの年の差があると気持ち悪いと感じてしまう。14歳の少女アイドルが同じく14歳の少女、もしくは少年アイドルと恋仲になる話なら大歓迎だが、5歳近く年齢が離れると気持ち悪く感じるし、やはり男女ともに20代以上なのが一番安心して見れる。
 現実と創作を混同しているのでは?と言われそうだが、要はペニー・ワイズのイメージが強すぎるせいでピエロが怖いし、そもそもの元ネタである実在の殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲイシーを思い出して気分が悪くなるのと同じだ。二次元のアイドルはともに成人の男性声優・女性声優が声を当てているだけで現実の10代の子供が被害に遭っているわけではない分、まだ安心して見れるが「アイドル」という商業形態自体が無理すぎて二次元でも無理になってしまった。どれだけ可愛く描かれてもGはGだから絵でも見たくないのと同じというと、もっと分かりやすいかもしれない。

 きっとこれからも二次元・三次元問わずアイドルコンテンツは苦手だし、BLを好きになることは絶対に無いだろう。そしてあの白黒写真の少年の姿が脳から消えることも無い。今あの少年は何歳になっているのだろう。あの仕事をした過去が彼の心の傷になっていないことだけを願っている。

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