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ガーデナー便り(12月号)

皆さん、こんにちは。
佐倉ばら会「ガーデナー便り(12月号)」をお届けします。


今年も早いもので12月となりました。この月の事を「師走」と呼びますが、師走とは年末は師が忙しく走り回るからとの説が有力だそうです。では「師」とはだれを指すのかというと1年で一番忙しい時期、「僧侶が仏事で忙しく走り回る」と「教師も慌ただしく走り回る」など諸説あるようです。ほかに春待月、晩冬などの異称があります。


さて、1月からこの植栽コラム「ガーデナー便り」をお届けしてきましたが、早いもので1年が経ちます。12月になると多くのバラが葉を落とし、休眠期に入ります。秋バラもそろそろ咲き終わり、赤やオレンジの可愛らしいローズヒップ(実)が、静かなバラ園で今年最後の演出をするかのように輝いています。


つるバラと木バラの剪定・誘引(12月~1月)について


休眠期の作業として、つるバラの剪定・誘引作業、木バラの剪定作業、寒肥施肥があげられますが、今月はつるバラの剪定・誘引作業について書きます。特に、つるバラは休眠明けの芽の動きが早いため、12月~1月頃が最も適しています。


1)つるバラの剪定・誘引の作業内容
これまで誘引して枝を留めていた紐をほどきます。その時、葉を全て取ります。これは、病気と害虫を翌年に持ち越さないためと、つるの状態(生育状況など)が良く確認できるからです。つるバラは、アーチやパーゴラ、スクリーンなど構造物に合わせた剪定が必要なため、必要な枝を考慮して選びます。

枝が何本もあり、どれを切るのか、残すのかを最初は迷うと思いますが、先ずは、枯れた枝や特に細い枝などを剪定します。残す枝は、今年新しく伸びたしっかりした枝です。次に、構造物の大きさにより、必要な枝数(予備の枝を少し残すなど)を判断しますが、今、葉が付いているところから来年新芽が伸びるので、構造物に誘引し、花が咲いた様子をイメージします。この際大切なことは、まんべんなく日が当たり、風通しが良くなるように誘引することです。

つるバラの性質は、上に伸びるものや、横に伸びるものなど、品種の性質などにより違いがあります。特に、上に強く伸びるバラは、枝の先端だけに咲きやすい性質(頂芽優勢)があるため、枝を横に曲げ、途中の枝にも花が咲くように誘引します。この時、全体の下の部分や中間部分にも咲かせたいときは、思い切って段差をつけて、短く切ります。この方法により、全体に花が咲くようになります。

剪定と同時に、残っている枝にカイガラムシの被害があるか確認し、見つけた時は、ブラシなどでこすり落とします。マシン油を使用して駆除するのも、この時期です。


2)寒肥の施肥
次に、寒肥の施肥についてです。剪定と同時に基本の肥料を施します。
①    油粕と骨粉を1株に対し、300グラムずつ株の周りに少し穴を掘り、そこに入れ土をかけておきます。
②    牛ふん堆肥、馬糞堆肥など完熟したものを、株の周りにマルチングします。


バラの開花時期は勿論楽しいですが、剪定・誘引作業が終えた時も、すっきりして気持ちが良いものです。寒い時期ですが、頑張って作業し春の開花を待ちましょう。

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