短歌☦︎︎ 31

細々と...

姫カット すれば私も プリンセス なれると思った 十八の冬

海の上 駆け足進む 助手席の ベルトはあれど 今飛び立てる

人生の 舞台という名の 空洞に 流る悲劇よ 踊らねば損

忘れじと 酷く掴みし その腕に 紅き荒縄 きつく結びて

其の本は 己を映す 鏡だと 恥多きかな、人間失格

黄昏と 祭りの音頭 そっと抱く 古き団地は 跡形もなく

道化師を 演じこの世は オペレッタ 決死の歌は 嘲笑に消ゆ

覚束ぬ 足取り歩む この道は 破滅待ちえる ダンスマカブル

傷だらけ 今に割れゆく ガラス箱 抱く私に 触らないでね

時を越え 泣ける少女の 足元に 手向けし花は 意味を持たない

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