少しだけ寂しかった
【櫻の魔法 〜本当は少し〜「村山美羽」】
[見て、職場の人にもらった]
昨日から出張で北海道に居ると美羽からLINEで自撮りが送られてきた。
[なにそれ]
[ヘアピン]
[へ〜可愛いじゃん]
[でしょ]
しばらくしたらまたLINEが来る。
[ポップコーンどこ?]
[いつもの引き出し]
[ないよ]
[じゃあ僕の部屋のお菓子BOXの中かも]
[見つけた]
5分後またLINEが来る。
[今からアニメ観る]
[なんのアニメ?]
[鬼滅]
[楽しんで]
[コーラとオレンジ]
[コーラ]
美羽は普段あんまりLINEしてこない。
僕もそれで慣れたのでお互いに既読無視で通じる。
だけど僕が出張の時だけ活発になる。
[鬼滅見終わった]
[どこまで観た?]
[柱稽古]
[オープニングかっこいいよね]
[それな]
電話がかかってくる。
「もしもし?」
「今何してんの?」
「今はパソコンで資料をまとめてるところ」
「ふーん」
「.......」
「.......大変?」
「大変......美羽は?何してんの?」
「洗濯物畳んでた」
「ありがと」
「今日何時まで作業あるの?」
「23時には終わる予定」
「あと1時間......」
「うん」
「.......寝ようかな」
「おやすみ」
「.......」
何も言わず切られた。
ちょっと寂しいけど割と普段からこんな感じ。
ラインッ
「.....ボイスメッセージ?」
[.....おやすみ]
すぐに美羽に電話したら案外出てくれた。
「おやすみ」
「....え?それ言うために電話したの?」
「いや?それだけじゃないけど」
「なに?眠たいんだけど」
「美羽」
「なに?」
「すぐ帰るからね」
「......うん」
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