自由を買った日
親との不仲で家を追い出されたのがハタチそこそこのOL時代。
高卒の事務員が一人暮らしなど
家賃関係を払ったらそれで終わり。
1番遊びたい時代に友達と遊びに行ったり飲みに出ることもできないなんて想像できない。
だから会社に見つからないように水商売のバイトを始めました。
幸い、繁華街から徒歩5分の場所に会社がありましたので、夜まで残業しても走って行けば店の開店時間に間に合いました。
当時はまだ今ほど景気は悪くなく、開店から閉店までまるまる働けましたので1晩の日給日払いも減額なくもらえていました。
しかし最終的には会社が土日祝の休みでもバイトはレギュラーに昇格しており完全な休日は日曜日だけ。
しかも土曜日のバイトで飲んだ上に一緒に働いてる女の子と朝まで飲んだりと日曜日は二日酔いで起きたら夕方、暗くなっていたりでしたが、自由に使えるお金が稼げていました。
今考えると、自由をお金で買っていたのかもしれません。
完全な休日は日曜日の夕方から夜までなのに、我慢しなければならないことがなかった分、自由に使える時間が無いのに心に余裕がありました。
好きな人の気持ち以外、お金で買えたので。
家を追い出されて借りたマンションでカーテンもまだない、何もないガランとした部屋から夜空を眺めた時も同じ気持ちでした。
親から精神的苦痛を与えられない場所と口出しされなくて済む自由を買ったのだと。