⑴「楽譜を解釈する」とは?
今回から数回にわたって、こちらの本のまとめ記事を書いていきます♪
使える内容がたくさんある本なので、Amazonの総合評価が思ったよりも高くなくてびっくりしました🙄
確かに再読してみると、内容が少しまとまっていないという印象は受けましたが…(音楽の専門書って大事なことが散らばっている気がする、というのはただの偏見であって欲しいです)。
作曲家が伝えたかったものを読み取ろう
バッハや古典派時代の原典版の楽譜を見てみると、音符のほかは特に何も書かれていませんが、これは何もしなくてよい、というわけではありません。
(たとえばバッハの管弦楽曲はあんなに色彩豊かなのですから、鍵盤曲にかぎって無味乾燥に弾くというのは考えてみると変な話です。)
これには当時の楽器事情が大きく影響しています。
バッハ〜モーツァルトの時代の鍵盤楽器といえば…チェンバロですね。
チェンバロは強弱の表現に乏しく、出せる音色の種類もそれほど多くはありませんでした。
ベートーヴェン以降ピアノの改良が進み、できることが増える(表現の幅が広がる)と、
作曲家たちは自分の思っていることをできる限り正確に、楽譜に残そうとしました。
(この辺りは作曲家の人柄や考え方がかなり出るところでもあります。
たとえば近代のシェーンベルクの楽譜を見てみると、音1つ単位で強弱記号がつけられています。)
こういった歴史を踏まえた上で、次の言葉は、どの時代のどんな楽譜にも言えることです。
『作曲者は思いのすべてを記譜できなかったという事実を念頭に置いて、曲をどのように弾いたらよいのか、想像して悩もう。そこにこそ弾き手の自由がある。』
すべての楽曲には、作曲者の何らかの感情や出来事がつめこまれているはずです。
作曲家の思いを正確に想像することはほぼ不可能ですが、時代背景や作曲背景、様式や流行を知ることは、楽譜を解釈する助けになるでしょう。
また先ほどのバッハの場合、楽曲分析(カデンツ、和声進行、各声部のかけあいなど)が行われていれば、やることが明白になってくるので、音符だけの楽譜で何をしたらよいかわからない、という状況にはならないでしょう。
テクニック研鑽も大事ですが、座学も必要、ということですね☺️
次に、楽譜を解釈する手助けとして、音楽を言葉にたとえるとどういった考え方ができるのか、見ていきましょう。
両者は「音による自己表現手段である」という共通点をもっていますが、違うところもあります。
音楽を言葉にたとえてみる
例①「問い」と「答え」
例② 同じことを繰り返し語る
音楽を言葉にたとえると、文に当てはまるのがフレーズです。
楽曲の中には、フレーズが対話のようになっているところが数多くあります。
また、もとになるフレーズが装飾されていたり、リズムが変わっていたり、違う和声づけになっていたりしながら、繰り返し出てくることも多々あります。
ゼクエンツもこれに当てはまるでしょう。
フレーズを言葉のように解釈することにより、ただなんとなく弾くのではなく、フレーズや音楽に自分なりの意味を与えることができます。
『音楽というものは、具体的なものは語れないが、言葉にあらわせない抽象的なものを表現するのにむいている。』
次は、楽譜から解釈したことを、演奏として表現するときに必要になるポイントを見ていきましょう。この本には4つのポイントがあげられています。
それぞれ言葉にたとえるとどのようになるのか、考えてみましょう。
「表現力がある」とはどんな状態か?
①リズム…生き生きしたリズムと自然なアゴーギクが達成されている
②音程の緊張感…音程の跳躍に意味が込められている
③フレーズ…フレーズの始め方と終わり方に習熟している
④音色…音色の調節と間の取り方が適切である
音色については、後ほど詳しく述べます。
次回は、楽譜を解釈する実際の手順について書いていきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
さくら舞🌸
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