行きたくない全然行きたくない月はきみと見上げるものだから
先日、アンディ・ウィアーの『プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読み終えて、次は何にしようかと迷っていたのだが、同じ作家の『アルテミス』を読み始めた。(『火星の人』はだいぶ前に読んでいる)
今度の主人公は女性だ。舞台は月だが、月に取り残された…とかではない。すでに月には街ができて人が住んでいるという設定だ。
威張っていうようなことじゃないけれど、私は宇宙に興味が全然ない。月に行ってみたいなんて微塵も思わないし、宇宙から地球を見たいとも思わない。なんとも夢のない人間である。
それでも読み始めてすぐに引き込まれたのは、物語の力なのかな。
ただ、地球の話じゃないと思うとなんとなく息苦しくなってくるから困る。閉所恐怖症気味だからか、外には出られないということも含め、全体的な閉塞感が怖い。そういうことは、前の二作には感じなかった。
『アルテミス』には「日常」があるから、なのかな。ついその「月の日常」を我が身に引き寄せてしまう。
あちらの日常とこちらの日常。
絶対、地球の方がいい。酸素があるって最高。