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貰うの苦手
娘が小さい頃、同じ社宅に住んで親しくしていた方から、お嬢さんのお下がりをいただいた。一人娘さんで、歳は我が子より3つ上。服はブランド物なども含め上等で、傷みなどもまるでなかった。
大きな紙袋いっぱいにどーん。「要らなかったら捨てていいよー」と言われた。あげる相手に娘を選んでくれたのは嬉しかったけれど、「ありがたい」と思うより先に、戸惑った。お返しをしなきゃいけないんじゃないかというプレッシャーも感じたし、んー、はやい話、貰う必要がなかったのだ。
「捨てるに忍びないからあげる!」だったんだろうけれど、それを次に捨てる立場になるのは私なのだ。(お下がりのお下がりをあげられるような友だちも居なかった)どれも可愛かったので、いくらかは娘にも着せたけれど、全てを着る機会はなかったと思う。
そんなことを思い出したのは、つい最近、光浦靖子さんからお洋服をもらうという夢を見たからだ。なぜ光浦さんなのかさっぱりわからないけど!
クリーニング屋さんの袋をかけられたままの白いひらひらブラウスだった。「これ、あげるから!」と言われたのは嬉しかった。でも、ああ、このブラウスかぁー、趣味じゃないなー…いや、着てみれば似合うのかなぁと困った夢だった。
結局、何だって自分で選びたいのだ。
「選ぶことができる」って幸せなことだ。選べるものは選びたい。タダで貰えるサンプルだってポケットティッシュだって、いや、たとえ高価な「要らないもの」だって、押し付けられたくはない。