見出し画像

また、生やしてしまった

お正月に実家からギンナンを貰って帰った。実家で出されたのが美味しくて、喜んで貰って帰ったはいいが自分で炒って食べたいほどの情熱はわかない。電子レンジでもできると聞いて何粒かやってみたけれど、なんだか恐ろしくて一度でやめた。その後は、キッチンで臭うそれをベランダに出したきり、忘れてしまった。(写真に写っている器は欠けた器。これも、危険物回収に出すのを忘れている)

ある日ベランダで、過去の不埒な衝動を思い出した。イケナイイケナイと思いながらもギンナンの入った袋を開けると、息を止めて二粒ばかりつまみ出し、空いていた鉢に指先で突っ込んだ。そのお戯れが2月以降のいつだったかは思い出せないが、他の鉢のついでに水を遣りながら5月になって、

画像1

ぼやけた写真だが、芽が、出た。出てしまった。2つ目はダメだったようだけど、銀ちゃんはひとりでぐんぐん育った。どこからどう見ても、ぼくイチョウ! の佇まい。

画像2

一人じゃ寂しかろうと余計な情けをかけ、ギンナンをまた1個、埋め直した。
今では銀ちゃん杏ちゃん、そろってスクスク成長中だ。

画像3

とっても可愛い。可愛いけれども、それは今のうちだけで、先々困ることになるのを私は知っている。

実は5年前にも全く同じことをした。お正月に実家で貰ったギンナンを食べずにベランダに放置。ある日、ふと思いついて植えてみたのだ。その時は芽が出るかどうかも分からなかったから、「よし、ミニ銀杏並木を作ってやろう」と、プランターに8個、並べて植えたのだった。

画像4

その頃の写真。やっぱり6月ごろかな。小さな芽が出てから成長していく姿を観るのは本当に楽しかった。オス・メス居たならギンナンもなるかも…なんて甘いことも思った。

そして秋。ミニながら、しっかり黄葉したイチョウたち。心の中でオザケンの「銀杏並木のセレナーデ」を歌ったね。

画像5

けれども、無邪気に楽しめたのはここまで。その後はどんどん幹も太くなり、葉も大きく厚くなって、さすが街路樹というたくましい成長ぶり。ぐんぐん上に伸びて、切ってもまた伸びる。この先どうしたらいいんだろう…ということになってしまった。

I’m ready for the “blue” よ。

まさかマンションのベランダに銀杏の木をドーンと生やすわけにもいくまい。盆栽? 盆栽にするにはどうしたらいいの? 今更じゃない?

そのうちに、初めての大規模修繕でベランダをすっかり片付けなくてはならなくなった。バラの鉢などは実家に預けたけれど、イチョウはもう、この際ほかの草花と一緒に勢いでサヨナラしよう! と決めた。小さなプランターの中いっぱいに根がはっていることにびっくりしたっけ……。胸が痛んで一本だけは別の鉢に移植して屋内に残したのだけど、結局すぐに枯れてしまった。

まあ、そんな過去もあったので、今回は最初から小さな鉢に2つだけ植える(そうしたらそんなに大きくはなれないだろう)という理性は働いたのだが、そもそも植えちゃだめでしょ。なぜ同じことをするのか?

やっぱり、成長の様子を見るのが楽しいのよね……。

はてさて、どこまで大きくなるのやら。次の大規模修繕まではまだまだ数年ある。

ちなみに銀杏を植えたブルーの鉢は、マンゴーの種が芽を出したから移植しようと思った時に買った鉢。水の上では元気だったけれど、マンゴーはすぐに枯れてしまった。

画像6

儚い命だったマンゴー↑