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無駄話すれば滑り過ぎそうな口が怖い

今度の美容師さん(男性)は無口だ。他の人を接客しているところを見たことはないのではっきりとは分からないけれど、私にはそうだ。それが快適。静かでいい。もちろん、大事なことはちゃんと話してくれるし、感じが悪いところはまるでない。

向かい側の見えないところからは、べつのお客さんが別の美容師さんと話しているのがずーーっと聞こえていた。あれはあれで楽しそうだな(うるさいけど)。

私はどちらかと言えば口が重い方で、こう言おうかなと頭の中で考えただけで言わなかったり、大体において「まあ、べつにわざわざ言わなくてもいいや」としてしまいがちだ。

「この美容師さん、出身はどこだったっけ…ま、いいか、そのうち分かるかもしれないし知らなくてもいいし」
……じゃ、話は始まらないのよ。

事務仕事をしている時も基本的には喋らない。

例えば上の人に何か頼みごととか、確認をとりたいことがあっても、相手が忙しそうだと後でいいかと思う。急ぎならともかく、しーんと静かな環境のせいか何となく声が出しにくい。

もう少し口が軽かったら、ペラペラどうでもいいことを喋るついでに言えてしまえることもある気がしている。「そういえば、私が頼んでいたあれ、今週中に大丈夫ですか?」とか。言わないでおいてヤキモキするよりずっといいだろう。

ああ、あの時思った通りに口にすればよかったと思うことの多さよ。
(好きなら好きって言えばよかった!的なものはないんだけど)