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【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ

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創作BL小説です。あらすじ↓ 「お前、俺が見えるのか?」 高校生の静生の前に現れたのは、死んだ親友・純の幽霊。 「一応、幽霊らしいこともできるんだぜ」 取り憑き、取り憑かれる関…
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記事一覧

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ recollection.3-3

 そんなふうにして俺たちは、痛みと官能にふち取られた、それでいて平凡な時間を過ごした。 …

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【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ recollection.3-2

 そうして俺は週の大半の放課後を小澤と過ごすようになった。何か特別面白いことをしたわけで…

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【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ recollection.3-1

 指の綺麗な男だった。今となっては顔なんかよりよほど、その指の白い肌の上を、漏れ入る弱い…

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【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.5-3

(何だよ、この男) 頭の中に声が響く。そして弁明する間すら与えられずに、耳の奥を弄ばれる…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.5-2

 大学というのは今まで置かれた他人どうしの寄せ集めの中で、最も「まし」な環境だと分かった…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.5-1 ※過激め表現有

 年度が変わった。予定通りに実家を出て、何の変哲もない大学生としての生活を始めて数日が過…

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【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.4-2 ※過激め表現有

「静生は、卒業したらこの家出てくんだったよな」 ベッドに寝転がりながら、本から顔も上げずに純は言う。 「そーだよ。だから本棚片付けてんの。ほらそれも貸せ。つーか人の本勝手に読むな」 純が本を差し出してくる気配もなかったが、俺は構わずに本棚の中身を段ボールに移す作業を続ける。何せ引っ越しの準備は忙しいのだ。手を止めてはいられない。 「そーかあ。なあ俺も、ついてっていい?」 あまりに何でもないふうに訊かれて、つい何も考えずに「うん」と言ってしまうところだった。 「え何て? ……い

【小説・BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.4-1

 じゃあ、俺が純に好きと言ったら――  詮無いことを考えていても、時間だけが通り過ぎてい…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.3-2

 あの非常口が開くと知らなければ、純は恐らく死ななかっただろう。  だからと言って、与田…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.3-1

 今でも俺の居場所は非常口前の廊下だ。  何のことはない。純はいないが、また元の、一人の…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ recollection.2-3

 そうして純は、俺の日常に入り込んできた。教室での互いの生活は相変わらずだったが、時たま…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ recollection.2-2

「は……なんで、白崎くんが俺と……?」 「君、いつも昼あそこでしょ」 白崎が手で指し示した…

【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ recollection.2-1

*********  もう男を好きになることもないと思っていた。  それなのに、本のページをめくる…

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【小説/BL】アドレセンス・サンクチュアリ page.2-3 ※過激め表現有

「横山? ……ああ、愛加(あいか)のことか」 顔を上げることもなく、俺の話に反応する純の声には、何の感動の色もなかった。親愛の情が感じられないわけじゃない。でも彼女は純にとって、他の彼女以外の女子と何も変わらない、たくさんいる遊び相手の中の一人に過ぎないという、その意識を今では俺も見透かすことができる。  純はたくさんの人間と積極的に交友関係を結んでいたのではない。  他人には誰一人、興味がなかったのだ。 「……横山さんとも、デートとかしたことあんのか」 「んー? あるよ」