さくらういろ

しがない生き物

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氷河期文系、エンジニア職

エンジニア職と言っても、就職して20年近くになる今もプログラムは1行も書けないし、興味もない。 ヘルプデスクというエンジニアとも呼べない所から入り、運用業務を経て開発業務へ。今はテストエンジニアとしてシステム設計段階から関わる立場となった。 氷河期世代。特に希望する訳でもなく働き始めたこの業界を、ずっと向いていないと思い続けてきた。前向きに続ける自信がついたと感じたのは15年も経過した頃だ。 現在のコロナ禍の中、急転直下で苦戦を強いられる学生は気の毒だと思うし、企業側の状況

    • 楽器可マンションで暮らした話

      荒川区と台東区の境目、日光街道と明治通りが交わる街。 町工場の作業車が行き来し、都電が走る、下町の雰囲気を色濃く残した街。 春は桜並木に沢山の桜が咲き、夏はスカイツリーをバックに隅田川の花火が光り、秋は酉の市の屋台が並び、冬は時として雪が道路に降り積もる、あの街が私は好きだった。 住宅街の一角にある楽器可のマンション。上野まで自転車で通える距離とあって、マンションの駐輪場には芸大の指定シールが貼られた自転車が何台か置いてあった。 22時まで音出し可、完全な二重窓の作りで、冬

      • 彼氏の借金を清算した話

        社会人1年目の終わりに、職場の先輩を好きになった。職場の先輩は女癖は悪くなく、優しい人だった。 何度かお茶をしていい雰囲気になった頃、「実は、借金がある」と打ち明けられた。付き合う前に言ってくれるのだから良心的だと判断した。身近に借金持ちは誰ひとりいなかったから実感もなく、社会人1年目で危機感もなく、あまり深く考えずに『そうなんだ。まあ、自分が迷惑かけられなければいいか』と思った。 「借金はいくらくらい?」と聞くと150万円くらいとのこと。 そのくらいなら大丈夫かな、と思い

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