さなコン2 感想 96 - 119
前回の続きです。
5ページ目24作品ですが、何回もブチ切れが発生。
xxxxxx'とか言いながら小説読むのは身体によくない。
なので、このページからは全部読まずに投げ捨てた小説が相当数含まれてきます。むしろ前のページまでよく読んできたと自分を褒めてやるよ。
ピックアップ作品は3作。
ユーモアSFとしては「そうして人類は | 有無」が面白いが、天使とか悪魔とか神様が出てきちゃうので人は選ぶと思う。落ち着いた空気の恋愛SFとして「アンドロイドの私と、人間の夫は、終末世界を生きる | Edy」がある。これはその路線が好きな人ならすんなり受け入れられるんじゃないかな。
惜しいなというのは、幻想小説としていけそうな感じだった「アヤノの地球 | 金銀花」。気になる人はあらすじだけでも見てみるといいと思います。
シュレディンガーの未来猫 | LUNA
最初の一文で人類全体死んだんじゃないのか……となってから話が頭の中に入って来なくなった。オチはシュレディンガーの猫。あまり好みの話じゃなかったな……。
そうして人類は | 有無
憎悪ゲームというゲームのエンディングとして課題文を消化。悪魔とか天使とか出てきちゃうけど、世界中で大ヒットしているゲームは実は天使と悪魔が地獄に落ちた人間からアイディアを出させていたり、ブラックホール1という人物が実は神だったりと、ショートショートとして普通に面白い。メリバみたいななのが多かった中、これは普通にハッピーエンド。スキした。
こういう、小粒だけどいいじゃん、っていうのにあたると、ローラー感想のデメリットであるメンタルダメージを大幅に回復してくれる。
アンドロイドの私と、人間の夫は、終末世界を生きる | Edy
人間とアンドロイドのロマンティックな物語。メリハリもあってよくできてると思う。アンドロイドの集合知は神林長平を感じる。だがまあ、それが引用されてるとは思わないけどね。
話の内容としては夫婦間のやり取りに終始するので、正直に言うとそこまで面白くはなかった。だけどこれを好む人類がたくさんいそうだなとは思う。
疲れた人類 | ケロリン
見なかったことにした。開いて書いてあることを読んだ方が早い。
与えられた幸福は本物の幸福となるのかの実証実験 | 夜月
脚本作家を主人公にした一人称小説と、それを利用して幸福について実験する存在のお話。前半部と後半部が乖離している印象を受ける。要素と要素のつなぎ方に無理があるかなあ……という読後感だった。
この手の小説は日常生活の中身とSF設定の相関関係をかなり丁寧に結び付けてやらないと、いきなり変な設定が出てきたなと読者に思われがちじゃないかな。
それでは今晩は | 娑婆聖堂
読んでみると思った以上にスケールのデカいお伽話になっている。ただラストの展開は唐突感があるし、全体的にお話が難しい。この短さだと、ちょっと理解できなくて、わたしにはダメでした。
アヤノの地球 | 金銀花
なんらかの理由で終末的な世界になった地球の子供たちが、寄木細工の箱の中に過去の地球が入っているのを見つける。それそれがだんだんと現代に近づいていくのを見てしまい――という感じ。幻想小説なのかな。
惜しい感じがする。描写のひとつひとつが結構難しく、書かれている内容が判然としない部分がある。会話シーンなども、もうすこしイメージを積んだ方がよかったかもしれない。書かれているだろうイメージは美しく、寂しさという読後感を得られるので、そんなに悪くないはずなんだけどな。
PseudoHumanは眠らない | 眞
人間は自分たちのやることをポストヒューマン的な存在に押し付けて眠りについている。そんな人類に対して、ポストヒューマンは「眠ること」だけが人類の持つ優位性だと語る。その優位性が失われることを示唆して物語は〆となる。
話は分かったんだけど、なんでか素直に受け止めることができなかった作品。どう評したらいいのか、いまのところわからない。困ったもんだ……。
唯一の人間 | 只野夢窮
読了できなかった。
極現状態に陥った時、怪我をしたらどうするの選択肢の中に病院から盗むなどの発想が出て来ないあたりで雑に読み飛ばしモードに入ってしまった。おそらくサバイバルしながら人間存在の在り方を問う話なのだと思うが、サバイバル系の小説はSF外にもたくさんあるので、この紙数でなおかつSF的ファンタジーとして書くのは結構ハードル高いんじゃないかと思います。
ゴースト・ライター | superNEETwriter
ショートショート。
なるほどね、という感じで終わった。読んでるのもゴーストってわけか。
歪んだ世界で、ボクはキミに真実の愛を捧ぐ。 | 若松だんご
情景描写がなさすぎて読了を断念した。
抒情的な記述のアンドロイド×人間の恋愛小説。このテーマは他とよくよく被るというのと、案外紙数を食う、ということで厳しかった。そもそも情景描写がほとんどなくて頭の中に話が入って来ない。俺はしにがみのバラッドのファンなのでこういう文体の小説には厳しいぞ。
パパとあたしの永遠 | 金銀花
またしても人間×アンドロイドの話だったが、今回は人間の父親×アンドロイドの少女という形だった。適度に情景描写もあり頭の中に話が入ってきやすい。惜しむらくは感情移入できるほどのボリュームがないことかな。
菌類めざめる | あぼがど
人類滅亡後にきのこVSたけのこが起きる話。
こういうのは、いつでもどこかで誰かがやるのが見え透いている。だからみんなの気持ちはわからないでもないが、私は冷める。
あなたが眠るその前に | アザとー
人類の最後のひとりとポストヒューマンの恋愛物なのだが、相手が粘菌生物という点が面白い。相手に愛を抱く下りも目が滑りそうになるギリギリのところに書いてあって、なかなかやりおる。ただ愛の描き方は物足りない。
人間の持つ愛の様々な形態を伝達するくだりはいいのだが、それが具体的にどのような形でどうやって粘菌生物に伝わっていくのか。せっかく面白い恋愛対象がいるのだから、ここを描かないのは普通に勿体ないね。
嗚呼、恥ずかしげもなく。 | 只野夢窮
メタフィクション。読み飛ばしました。一番の理由は「尋常な理由」っていう謎のワードがあって、それについてなんにも触れてなかったことです。
地球は眠らなかった | 蕗
これはね……あらすじは面白いんだけど本文を読み始めるとそうでもなくなっちゃうタイプの話でした。
夢物語 | 仮帯
夢と現実の境界線の話をするのであれば、しっかりと夢と現実の境界が揺らぐように書いて欲しいというのが感想です。
エネルギー問題 | あああ
序盤の会話の中心となっている「プロテクト」という単語が何を意味しているものなのかが全然説明されないまま進むので、もうダメだと思って読み飛ばしてしまった。掲示板小説っぽいのが見えたな……。
オチだけみたけど、普通っぽいオチでした。
何人の会話だと思うか、訊こうと思ったけど、ただ一人の脳内です | 風戸槙
メタフィクションをメタフィクションとしてしっかり読ませるのは難しいとよくわかる。読み飛ばしです。
最後の微笑み | 桃木壱子
あらすじの設定だけ読むと面白そうだけど、実際には描写が非常に淡白で会話シーンも物足りず、という感じで読了できなかった。開幕の文章が課題文に似てるのでレギュ違反と勘違いされてるケースもありそうだがはたして。
緑色のしき | 那由多愛
駄文らしいので読まなかった。
可能性の話 | 真田霞
あらすじがあらすじとして機能しておらず、本文が長いあらすじのようになっている。これは読了するの厳しいですよ。
Vertical | 貞久萬
なるほど系の作品。試み自体はいいが、正直なところいまいちというか、わざわざ目を凝らして仕掛けを探しにいかないといけないし、視線誘導も意識誘導も甘いので、私には評価できません。
主人が眠りについたなら | 桃木壱子
どうも私は古い人類らしく、この話のノリについていけなかった。この長さで読了できんとは……。
干渉 | ReauL
すげえ工夫して書いてある……んだと思うんだけどあらすじからして何が書いてあるのかわからなくて、俺は死んだんだよ。
というわけで以上です。
お読みいただきましてありがとうございました。