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#17_第1回勉強会レポート_世界における抹茶人気の実態と背景

第1回 Global Tea Diplomacy Discussion
「Matcha in Washington DC」 2月28日(日)日本時間午前6時

① 勉強会の目的と第1回のテーマ設定

桜茶meet は「日本の茶文化が培ってきた『調和の精神』の発信・啓蒙(=「茶の湯外交」)による世界平和への貢献」をミッションに掲げる民間外交の非営利団体です。茶を通して人の心に「安らかな空間」が生まれ、地球上の「人と人」「人と自然」の間に調和が広がり、より平和な世界に繋がっていくことを目指しています。

このミッションの下、2021年からは、「”茶”が、今の国際社会でできることは何か?」、「日本が今、世界に貢献できることは何か?」について毎月様々なテーマで議論し、年に2回具体的な提言を国内外の関係団体へ提出することを新たな活動に加えました。

第1回は、「世界における抹茶人気の実態と背景」を探るため、桜茶meet が活動拠点とするワシントンDCで25年以上にわたりお茶ビジネスに携わってきたゲスト2名をお迎えし、「この25年間におけるアメリカ人と茶の変遷」「抹茶人気の背景」「今後の見通し」について議論しました。

なお、第2回目以降は下のスケジュールですすみます。

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次回(第2回)は3/31の午前6時から、テーマは「抹茶の健康価値」です。世界で広がる抹茶人気ですが、「抹茶とは何なのか?」皆さんはどこまでご存知ですか?抹茶の基礎知識からまだまだ眠る可能性について、英語で学びます🎵
《次回の詳細・参加登録はこちら!どなたでもお気軽にご参加いただけます😊》
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② スピーカーの紹介

ミシェル
ワシントンDCに世界中のお茶を取り扱う小売店1つと食事も楽しめるレストランを3店舗経営するTeaismオーナー。開店当時の1996年は、コーヒーハウスは市内のどこにでもある中で「tea house」はなかったので、「良い品質のルーズリーフティーが特別なものではなく日常的に楽しめる状態」を目指した。

ステファニー
18歳のころ、外交官だった両親とともに日本へ。ICU卒業。帰国後、外交官になり1979年に再び日本へ赴任した際にお茶に出会う。現在はDC表千家。


③ 話した内容

1)この25年間におけるアメリカ人と茶の変遷

アメリカにおける茶全般の消費や知識はこの25年で大きく成長した。背景には、1)お茶の商品力(美しさ、優雅さ)、2)インターネット 、3)国際的な人の行き来の増加、が上げられる。特にDCは国際都市で各国の大使館も集まっているため、世界中から旅行者がやってくる。

25年前のオープン当時はアメリカ人にとって「tea? 一体何が出てくるの?」という状態だった。お茶やtea house というものを体験したことがなかったため、中に入るには勇気がいるようだった。
一方で、当時から世界中の旅行者たちにとっては「tea=安全な場所」だったようで、色んな国の人が「Teaism」の看板を見つけてやってきてくれた。例えば、店内ではサリーを着たインド人家族がチャイを飲んでいたり、日本人女性が両手でカップを持って上品に飲んでいる素敵な光景が見られたりと、自分にとってはお店を開いた時「世界の扉を開けたような感じ」がした。また1号店は大使館が集まるエリアに近かったので、国際的なサポートも得られた。


2)抹茶人気の背景

抹茶に関していえば、25年前は誰も知らないし言及されることもなかった。 「抹茶をください」というお客さんがきたときには思わず「何に使うの?」と聞いたことを覚えている。当時、抹茶といえば「特別なシーンで使われる特別なもの」という存在。しかし今は、当時1年かけて売っていた量の缶が2週間で売切れてしまうほど劇的に伸びている。また、当時と異なり「カジュアルな存在」にもなった。スムージー、ラテ、カクテル・・・今はどこにでもある。

アメリカ人にとって飲むきっかけは「健康価値」だった。抗酸化、癌予防、美肌、脳、ダイエット、などなど・・・ もちろん、どこまで本当か?は分からないが。また、抹茶は本来高尚で伝統的であるが、アメリカでは「新しい存在(something new)」。とはいえ、「長い歴史や伝統」も、アメリカ人にアピールする要因となっている。他には、色の美しさや、「茶会」に連想される美しいイメージへの敬意もあるだろう。

忘れてならないのが、スタバの存在。スタバが取り入れると、周りは「その人気が一定の域に達した」とみる傾向がある。それから、砂糖業界の存在。著名人のSNS発信も効果があった。


3)今後の見通し

25年前お茶はホテルやレストランで楽しむ「優雅なアフタヌーンティー」のイメージだった。しかし今は、様々な文化テイストが加わったprivate ownedのお店が増えている。大企業がスタバのように展開したところで必ずしも成功しない。なぜなら、そのようなスタイルは本来「茶」に合っていないからで、ニッチな人々は「Soul やその複雑性を追求したい」という段階に入ってきている

日本は、25年前も今も「緑茶の唯一の生産国」として代表的な存在。ただし、全体的な売り上げは小さく、消費の多くは紅茶やチャイ。また、中国茶と比べても消費は相対的に減っている。日本茶が持つ独特な「草」のようなテイストが、ダメな人はダメ。歴史に惹かれてやってきても、「味」で挫折してしまう。売るためには「楽しみ方」を根気強く説明しないといけない。  

「matcha」がこんなにも育ったのは凄いこと。最近ではダンキンドーナツも採用。(採用の仕方は酷いが)このような会社が採用することで全米中の小さな町の隅々にまで「matcha」の認知が広がっていく、ということが起こっていく。アメリカ人は今、抹茶に対してとってもオープン。関心をどう維持するか?次はほうじ茶パウダー?

④展望

●茶の持つ国際性
●「matcha」という言葉は広く浸透してきているが、言葉の一人歩きに近く「中身の理解」は伴っていない。日本はこの機会を主体的にどう活かすか?分岐点
●あくまでニッチであるが、ニッチな人々がある日ブレイクスルーさせる、という意味では環境とプレイヤーが揃ってきている

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いかがでしたか?

なお、以下は、2019年にまとめたものです。皆さんの感想も是非聞かせてください!

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次回はこちら💁‍♀️

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特定非営利活動法人 桜茶meet は「世界における日本の存在力低下」という課題に対し「茶楽(さくら)」をコンセプトとする茶会を通して相互理解を促進する「草の根×民間」による茶の湯外交を展開しています