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「現実が何か分かっていなければ、現実逃避すら叶わない」vs.沼津

J3 第2節 vs.アスルクラロ沼津
0-4 負け
スタメン

1 全体の感想

1-1 サッカー選手として

まずは、遠いアウェイの地まで足を運んでくださったファン・サポーターの皆さん、本当に応援ありがとうございました。皆さんがどのような理由でアウェイまで応援にきてくださるかは想像でしか分かりませんが、我々の試合を見て、一緒にあの何事にも代え難い“勝利の瞬間”を、“最後の笛”を聞きに来ているからだと思っています。その瞬間を届けることが僕らの仕事なのにも関わらず、結果的にその仕事をクリアすることができず、申し訳なく思います。仮にこの仕事が果たせなくてもエンタメとして欠けた試合になっていること、プロとして何も言うことが出来ません。

1-2 GKとして

そして、GKという立場からも、4失点という結果を招いてしまい、悔しい気持ちでいっぱいです。どんなGKも大量失点すると、これまでの努力が強烈なパワーで否定されたような気持ちになると思っています。GKにとってかなり強烈なストレスなので、色んな方法で現実逃避、ストレス回避をしようとします。味方のせいにしたり、スーパーゴールだから仕方ないと考えたり、いくらでも思いつきます。個人的にはそんな安っぽいものに逃げたくありません。前回のnoteにも書きましたが、シュートは1本ずつしか飛んできません。サッカーに3pシュートはありません。1つずつ理論と根性の両面から分析していくしかありません。現実逃避するにしても、その現実が何かわかってないと、逃げられません。

1-3 個人的に

選手それぞれに色んな背景があり、ここに関してはファンサポーターには見えにくい部分でもあると思います。
そんな中、相手FWの和田選手は大学の1つ下の後輩で3年間、一緒にプレーした仲でした。GKとFWという関係もあって、練習後、彼のシュートをよく受け、日々トレーニングに励んでいました。彼が蹴るPKのコースももちろん分かります。当時から変えてなければ。笑
実際には彼に2ゴールも決められてしまいました。誰に決められるというのはあまり皆さんには関係ありませんが、個人的な想いとしては、悔しかったです。ただ、後輩の活躍や脅威は相手ながら頼もしくも思います。負けてられません。鳥取ホームでの試合でリベンジすると伝えました。
このような意外な関係や見えない背景を知っていただければ、また一つ、エンタメとしてサッカーを見るのが楽しくなるのかなーと思ってます。

左が和田選手。結果が表情に出てます、、

2 プレー分析

2-1 失点について

試合を見てない人や見返したい人は上記のハイライトを見てみてください。
失点シーンだけを切り取るとGKとして難しかったというのが率直な感想です。
ただ、その前のプレーや味方への働きかけでは、まだまだやれることはあったなと感じます。これに関しては前節も同じ反省点だったので意識していましたが、うまくマネジメントすることが出来ませんでした。
この2戦を通して、改めてサッカーにおいて、ボールにはパワーがあるなと感じます。90分間を通して、果たして自分は何分間ボールを見ているのだろうかと思いました。ボールが自分より遠くにある時は、自身のゴールを直接脅かす確率が低いので、味方の配置に関してコーチングして、リスク管理をすることは容易ですし、そこがGKとしての役割です。リスク管理をしていて、味方のゴールを見逃すくらいが良いと思います。
ただ、ゴール前になればなるほど、ボールに視線が吸い込まれてしまうし、見てなきゃいけない時間が増えます。いつシュートが飛んでくるかわかりません。そのような時でも、ボールが空中にある時やシュートが来ない状況というのはあります。その瞬間をもっと生かして、味方と相手の位置を把握しなきゃなと感じます。ボールに対するアクションが最優先ではあるものの、それだけでは守れないのでそこのギリギリの情報収集、そして、実行がまだまだ足りないなと感じました。
加えて、身体的な観点では、セカンドアクションによる失点が多かったので、そこのスピードを0.1秒でもあげれば失点の確率が下がります。トレーニングに励みます。

2-2 良かった点

ハイライトにあったセーブで、僕から見た右下のセーブは個人的には満足のいったプレーでした。左に移動がありながら、逆モーションかつグラウンダーというシュートに対してうまく合わせることができました。自分は身長がある分、下に落ちるスピードは常に課題で、試行錯誤しているところです。理想に近いプレーでした。ギリギリのタッチだったので、レフリーはそのタッチに気が付かず、ゴールキックになって、遠くから見ていた人にはセーブに見えなかったのかなと思っていました。だからといって、触りましたよと申告すると失点の確率を上げることになるので、言えませんが、そこはなんともGKのジレンマですね。
ハイライトでは無事にセーブとして扱われていて嬉しかったです。笑
その他、ビルドアップでも比較的落ち着いてプレーできたと思います。前半、相手の形を見ながら、普光院選手につけたミドルパスはボールを失わずに前進させることが出たので良かったです。
ただ、ワンタッチクリアするシーンでは何度かミスがあったのでそこは安定感やチームの流れを変えてしまうプレーにつながるので100%の成功率を目指して、まだまだ足りないところだとは思います。

3 最後に

サッカー選手という感覚的な要素が強い仕事をこうやって文字にすることは一見無駄なのかなとも思ったりします。
ただ、自分は身長にこそ恵まれましたが、器用な選手ではありません。みんなが1回聞けばできることに時間がかかったりします。僕はそこを頭でカバーすることでこの感覚的な世界を生きていこうと思ってます。
そして、世界のトップ選手のほとんどはその優れた感覚を言語化するのが上手なように思います。トップアスリートが残した名言は数多くあります。何を言うかより誰が言うか、という問題はありますが、このnoteを通して、まだ何者でもない自分が残す言葉が輝けば、自ずと結果がついてきた時、より輝きが増すと信じてます。

ガイナーレ鳥取を応援している皆様へ、この2戦を終えた上で、「これからも応援よろしくお願いします」とは僕からは言えません。それくらいの価値だと思います。サッカー選手はただただピッチ内で応援したくなるようなプレーを見せることでしか、ファンサポーターに対して、「応援してください」と伝えることはできないのです。
こうやって言葉にすることは正直、簡単です。
本当に簡単なんですけど、だからこそ、実際の行動が大切です。
少し尖った書き方をすると、応援したい人だけ応援すれば良いと思ってます。サッカーなんか見なくても死にません。他に面白いことなんていっぱいあります。
それくらいのサポーターの心意気を動かすことができる選手になることが僕の目標です。
「人の心を動かす」そう、加入コメントでも書きました。

これに関してはブレるつもりはありません。
ちょっとびびって、最後の最後にバレないように尖ってますが、心に嘘のある言葉で忖度しても、互いに良いことはないと思います。言葉を選びすぎても伝わらないと思っているので。

もっと頑張ります!
嫌でも応援したくなる選手に。

櫻庭立樹

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