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「おはよう」が言えない。

こんばんは。『「おはよう」が言えない。』のあとがきです。


 これは「夜遊びコンテスト Vol.3 with めざましテレビ」への参加作品です。この物語を思いついたきっかけは、コンテストを行うにあたり「めざましテレビ」チーフプロデューサー高橋龍平様がmonogatary.comに寄せたコメントの冒頭部分でした。

当たり前だった日常が去り

本当にこの一言だけでした。


 挨拶って当たり前だと思っている人、多いですよね。だから挨拶ができない人に腹を立てることも少なくないです。でも、私は挨拶ができない人ってきっとそれが当たり前じゃないからしないんだと思うんです。「自分にとっての当たり前」の隣に「自分にとっての当たり前じゃない」がある。それを表現したくて当たり前のように挨拶をし、友達がいる美晴の隣に当たり前のように挨拶せず、友達も少ない紀由佳というキャラクターを作ったのです。

 このお話の扉絵に使わせて頂いた鳥の画像、一羽だけぷいっと横を向いていて、そんな「誰かたち」を表しているようでこの物語に合うように感じて少し気に入っています。いじめを取り扱っていながら字体をポップにしたのも彼女たちがまだ小学生なので、あまり重くなりすぎるのはなー……と思ってこのような扉絵を選びました。



 そしてそんな「当たり前」がなくなったら? もう多くの人が経験済みですが、いま一度見つめてみるのもいいだろうと思って美晴から「当たり前」を除いたのが「いじめ」という世界でした。

 当たり前だった日常っていろいろなことを指していると思いますが、挨拶自体も本当にそれを表しているような気がしてならなかったのです。



 ただ、高橋様からのコメントからして、このコンテストには明るい未来が求めれています。私は過去にE☆エブリスタにていじめを題材にしたお話を投稿していますが、それは幸せな結末ではありませんでした。その時がちらついて、何度もバッドエンドに向かいそうになりました。どうにかしてこのお話を幸せな結末にしなくてはいけない……その結果こんなお話に……。


 そして、この物語の最後からして、まだ完全には崩れた生活から立て直し切れていません。しかし、「悪くない風が吹いている」。そんな主人公たちのように、少しでも未来に希望を見いだせますように。




 このような機会をくださった高橋龍平様はじめ「めざましテレビ」の皆様、monogatary.comの皆様、YOASOBIの皆様、そしてこのような拙い文章を目に留めてくださった皆様、ありがとうございました。







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