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オーストラリアの人気カフェから学ぶこと

オーストラリアには、ONAという人気なチェーンカフェがある。
どれくらい人気かというと、常に客で溢れていて、時には行列ができるくらいだと言う。
最近まで、私はこのカフェの存在を全く知らなかった。
オーストラリア人におすすめされて、なぜそこまで人気なのかと興味を持った。

行列のできる美味しいカフェ

私の感覚では、カフェと行列という言葉の組み合わせはどこか違和感を感じる。
スターバックスでレジ前に列ができているのは見たことがあるが、その他のカフェで、それも海外展開や広告を大きくうっていないであろうチェーン店で毎日行列が見れるとは。
しかも、オーストラリアはコーヒー大国。
街のあらゆるところにカフェがあり、飽和状態だ。
その中で目立つには、何かとっておきの秘策があるに違いない。
だが、おすすめしてくれた友達から返ってきた言葉は意外だった。
「あそこのコーヒーが美味しいんだよ。」

美味しいカフェの正体

居ても立っても居られなくなり、私は別の友達とそのカフェに行ってみた。
午前12時に到着。
ちょうどお昼時ですいているだろうと予測していたのだが、入店するまで待つ必要があった。
さすが評判通りだ。
やっと中に入ると、モダンで広々としたお店のど真ん中にたった一つだけ、とても大きな木製のテーブル兼キッチンがあった。
つまり、店員と客が向かい合う、対面式のカフェだ。
内装もシンプルで、壁の淡い黄緑色がおしゃれな雰囲気を醸し出す。
コーヒーの良いにおいが漂っている。
店員は7人ほどだろうか。
目の前で、高級そうなコーヒー豆とコーヒーマシーンを扱っている。
普通のカフェと比べると店員数が多いように見えるが、そこには理由があった。

コミュニケーションカフェ

「コーヒーは、ブラックかミルクかどっちがお好きですか。」
私たちを席まで案内してくれた店員が、メニューを配りながら唐突に聞いてきた。
ブラックコーヒーはともかく、「ミルクコーヒー」という表現は初耳だ。
私はフラットホワイト(ラテの一種。オーストラリアでは定番)をよく頼むので、ミルク入りのコーヒーが好きですと答えた。
「それならば、このあたりのコーヒーはいかがでしょう。」
そう言って店員が指さしたのは、カフェの上の方に書かれているコーヒーの名前だ。
全て、読んだことのない名前だった。
戸惑っていると、店員が丁寧に説明してくれた。
「これはチョコレート風味で少し甘さがあって・・・、こっちはフルーティーで少し酸味があって・・・。今日はどのような気分ですか。」
その日はなんとなく、甘さを欲している日だった。
「では、これがおすすめですね。」
選んでもらったコーヒーを、私はそのまま注文した。
友達も、同じように話し合いながら飲むコーヒーを決めた。
ちなみに、注文を受けるまでの間、その店員は私たちのすぐ隣にずっといた。
テーブル越しではない。
さらに、追加注文時やコップに水を注いでもらう際も同じ店員が担当している。
その店員は言葉遣いや身のこなしは丁寧でかつ、どこか話しかけやすいオーラを放っている。
それだけのことだが、「店員」と「客」という壁を感じさせずリラックスしながら話せる空間が仕込まれていると感じた。

快適さを引き出す

私はコーヒーマニアではないので、その店のコーヒーが他と比べて特別美味しいかどうかは分からない。
ただ、美味しいという感情や、「もっとここにいたい」と思う気持ちを引き出すような工夫は施されていると思った。
雰囲気を作りは大切だ。
言い方は悪いが、いかに脳を騙して快適な気分にさせるかは仕事をする上でポイントになるかもしれない。

今日の英文

If you keep too much distance from people, they might think you're being standoffish.
人との距離を取りすぎると、相手はあなたのことをよそよそしいと思うだろう。


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