77.摂食障害と歯科医

触れていませんでしたが、これまでも過食嘔吐は毎日欠かさずやっていました。
それはもう私の生活の一部、人生の一部となっていました。

妊娠中に虫歯になり、治療が思うようにできなくなったこと、妊娠出産でもともと胃酸で弱っていた歯がますます弱くなり抜歯するしかなくなり、出産から数年後、私の上の歯は数本を残して抜歯しなければならなくなり、義歯となりました。

嘔吐する際に胃酸の影響を受けるのは、私の場合上の歯だったようで、下の歯は治療歴はありますが、現在も自分の歯です。
摂食障害で嘔吐を伴う過食をしている他の人は歯の状態はやはり私と同じように上の歯が齲歯することが多いのでしょうか…

東京にいた頃、歯科医院で私の口の中の状態について普通じゃないみたいな話を医者同士が話しているのを聞いてから、歯医者へ行くのが怖くなっていましたが、出産後、痛みでどうしようもなくなって行った先の歯科医の先生はとてもいい先生でした。

その先生も東京での歯科医のように、私の歯の状態を見たら普通の食生活ではこんな風にならないとは思ったはずです。
それでも先生は、もちろん歯の状態について私が傷つくことを言ったり尋ねたりはせず、治療してくれました。
治療はもちろんのこと、審美歯科にも力を入れている先生は胃酸と過食で摩耗し短くなった歯や、笑うと銀歯が見えていた歯も私の経済状況と相談しながら治療して、綺麗に整えてくれました。

AVの現場で口元を誉められたこともありますが、それはこの先生が整えてくれたおかげだと思っています。

その先生のところへは、定期的に通い健診とクリーニングを受けていますがその都度気になるところをメンテナンスしてくれるので助かります。

「桜瑚さんは治療に真面目に通ってくれるから、僕も治療がしやすくて助かる」と通って数年経った頃に先生から言われました。

先生がどれだけ綺麗にメンテナンスしても、やはり胃酸で治療が必要になるし、噛む力が強いうえに過食のせいで噛む回数も半端なく多いので義歯が割れてしまったことも数回あります。

それでも先生はどうしてそうなるのかを、一度も聞いたことはなくむしろ、義歯で噛むときの注意点を教えてくれ、過食嘔吐で摩耗する私の歯を今後どうやって守っていこうかを一緒に考えてくれている感じがしています。

歯の齲歯に悩む摂食障害患者の皆さんが、理解のある歯科医と巡りあえるといいなと思います。


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