『言葉屋 著:久米絵美里』を読んで、言葉を大切にしようと思った
言葉屋 久米絵美里
朝日学生新聞社出版の、シリーズものの児童書です。最近読み始めて、大好きな雰囲気だったので、おすすめさせてください!
主人公は小学生の女の子。クラスメイトや家族とのやりとりを通じて成長していく物語です。
『言葉屋 言箱と言珠のひみつ』から始まり、その後は「言葉屋2」...と続いていきます。タイトルに巻が入っているので、迷わず順番に読み進めることができます。
児童文学のため簡単な漢字にもルビが振ってあり、最初はごちゃっと感じて少し読みにくさがありました。
ですが、読み進めるとだんだん気にならなくなってきます。
また、もとやままさこさんの挿絵が可愛くてなごみます。
私はamazonのKindle Unlimitedで読み始めました。
主人公の詠子は少し内気な性格で、言動は落ち着いています。
言葉を発する前にすごく考える子なので、発言までに時間がかかり、もどかしいときも多いですが、考え方がしっかりとしています。
推理もののような大きな事件はありませんが、彼女を取り巻く問題を言葉を通じて考え、乗り越えていきます。問題は教室での些細なことから、いじめ、貧困問題、SNSと、私たちの身近なテーマが多いです。(わりとタイムリーなので、作家さんもきちんと勉強しなくてはで大変だなと感じました。)
主人公は小学生ですが、アラサーの私が読んでもいろいろと考えさせられるものでした。巻が進むと学年も上がり、ほんの少し恋愛要素も出てきて、とても初々しい様子がほほえましく、ときめきました。時にはほろりも。8では中3にまで成長します。
会話や心情等が丁寧に描写されていて、「言葉屋」というだけあって、言葉を大切にしていると感じました。温かい雰囲気がとても好きで、シリーズ7を読んだ後は、もっとこの世界に浸っていたい。読み終わってしまって残念!と一番に思いました。(7までだと思っていたら8がありました。笑)
言霊、という言葉もあるように言葉を大切にして生きていきたいと素直に思いました。
匿名でも自由に発言しやすくなってきている今、自分の言葉がただのナイフになっていないかを考えることができるよう、一度読んでみてほしいです。
子ができたら是非読ませたい。そんな本です。
気になるのは、全漢字にルビが振ってあること、実際の本が大きい(A5)こと、ですかね。
最新刊の8では詠子は中3だし、内容的にも小学生以外が読んでも違和感ないと思うので、文庫ver.でルビ控えめ、とかも出版されたら中学生以上も手に取りやすいと思いました。
ほっこり系で本をお探し中の方は読んでみてください。
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