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72-24候 麦秋至(むぎのときいたる)

 夏 小満 24節気72-24候 麦秋至(むぎのときいたる)

 
 新幹線に乗っていると、この時期、青々と靡く田圃の横でまるで秋の収穫時のように、黄金色に色づく麦畑を目にする時がある。それはまだ春の残る初夏の頃だけれども、俳句ではその麦を『麦秋』という。

 同じように『竹秋』という春の季語がある。これは、春に竹の葉が黄葉して散るさまをいい、春なのに『竹の秋』という。また、竹の場合は、青くて瑞々しい葉をつける秋の竹を『竹の春』という。春と秋が逆さまになるネーミング。

竹秋

 何気なく過ごす四季の移り変わり、春なのに秋、秋なのに春、これらは、俳句を始めて気付かされた事象である。

 さて、いま、ウチのバルコニーでは、瑞々しい山椒の木の横で青い手鞠のような紫陽花が可愛く咲いている。
 麦を育てたことがないので、バルコニーの秋現象は見たことはないが、『山笑う』住人たちがそろそろ騒ぎだした。
 今年も賑やかな夏を過ごすことだろう。

2024年5月31日(金)【旧暦 卯月24日


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