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片松優希さんのヒカリの花

こんにちは。情熱・パッション!片松優希です。
大学4年生。
一見、僕はあなたのまわりにいる若者と変わりないように見えるかもしれない。
けれど、1つだけ違うところがあります。

人生の目標が明確に決まっている。

この世界に、人生の主人公として生きる人を100万人増やす。

100万の心に情熱の炎を灯し、
みんながやりたいことを貫く手伝いをしたい。

ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!

聞こえますか?
和太鼓の音。

ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!

僕の背後にはいつも和太鼓が鳴っている。
自分の人生を貫け!と鼓舞する音。


太鼓の音を聞いた日。15歳。

その日、15歳の僕は、体育館にいた。
制服を着て、全校生徒、並んで座っていた。

15歳の僕は
15歳なりに、がむしゃらに頑張っていた。
その結果、手に入れたものに満足していた。

生徒会長
(ひらめいたアイデアで色んな改革をしてきた)

バスケ部のエースであり、キャプテン
(ゴリと桜木を足して2で割ったような)

勉強は学校でトップクラス

友達に囲まれ
(人気者のポジション)

女の子にもモテるようになった。


全部、努力だ。

勉強も、努力。
スポーツも、自分を限界まで追い込んだ。
疲労骨折、肉離れ。
それらを代償にしてマラソン大会やチームの勝利を手に入れた。

友達だってそうだ。
小学校の頃、転校先の学校でいじめにあった。

自分に自信がなくて、自分の気持ちを主張することができなかった。

目標に向かって真っすぐに突き進むところも浮いてしまったんだろう。

仲間外れにあった。

目の前が暗くなって初めて絶望、というものを経験した。

それ以来
人の気持ちを考えて
空気を読むようになった。
誰も嫌な気持ちにならない、
みんなが丸くおさまる言葉を選んだ。
そうやって友達を作ってきた。

15歳ながらも、自分が手に入れたものに満足していた。
みんなから嫌われず、むしろ好かれていて、いつも友達に囲まれていることが何よりもうれしかった。

その一方で、

手に入れたものを、失う怖さがあることも知った。


優秀で、人気者で、みんなのリーダー的存在が、
ダメな部分をさらけ出したり、
本音を言ったら
周りに集まってきている友達は、いなくなっちゃうかもしれない。

自分の意見を言う時は、僕の中でいじめ予防フィルターが発動する。
空気を読んでいるか、
みんなから嫌われない発言になっているか。
フィルターを通れた無難な意見や言葉だけを発言した。


あれ?
ここにいる俺は
本当の俺なのか?

みんなが望む、生徒会長、キャプテン、片松優希になっていないか?
今の俺は
まるで笑顔の仮面をかぶった偽物じゃないか。

このまま偽物の俺を続けて、
本当の俺が消えたらどうしよう。



片松優希は、
片松優希の人生を歩んでいるのか?

ふとしたとき、

鏡を見た時、

夏の終わり、涼しい風が吹いた夜

本当にふとした時に、思った。

目をそらしたいけれど、
そらし続けたら、大きなものを失いそうなことも
なんとなく感じる、完璧な15歳。

空はどこまでも青い。

そんな僕が、今、体育館で聞いているのは
和太鼓の演奏だった。

太鼓の達人

大太鼓、小太鼓、プロの和太鼓の団体が体育館のステージで演奏している。

地味な行事だな、と思っていた。
授業がつぶれてラッキー、みたいな。

最後の生徒代表あいさつ、考えなきゃな。

僕たち全員、期待もせず、聞いていた和太鼓の演奏だった。

けど
いつの間にか
震えていた。

和太鼓にはメロディーがない。
だけど
振動が、すごい。

ドン、ドン、ドドドン
ドドドド、ドン、ドン

和太鼓の音の震えが、重なって、重なって、
僕の鼓膜、腹や、胸
体育館の空気も
壁も

全部が細かくその振動を受けて震えていた。

演奏はどんどん盛り上がり
いろいろな音や振動が響き合って、
体験したことがないくらい
細かく、激しく、みんなの体が震えていた。

演奏も終盤、
僕たちの振動が最高潮に達し
和太鼓と一体になったときに、
団長が僕たちに言った。

みんなで声出していこか!

パッション!


太鼓が鳴った。

ドドドン!

団長が叫んだ

パッション!

ドドドン、パッション!

ドドドン、パッション!

筋肉ムキムキの団長の声は力強かった。

ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!

僕は、突き動かされるように立ち上がり、一緒に叫ぼうとした。

でも、

立ち上がれなかった。

偽物の僕が、立ち上がるのをやめさせた。

みんないるのに、俺だけ叫ぶの、恥ずかしい。

あぁ、胸が震えてるのに。
こんなに、太鼓の音で
胸が震えてるのに。

叫びたいのに、
大声で叫びたいのに。

やりたいことができない。

俺は太鼓と一体になれないのか。。。


ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!

団長の声だけが体育館に響く。

僕は周りを見渡した。
誰も
立ち上がっていない。

だけど、
みんなの気持ちも感じた。

立ち上がりたいけれど、
立ち上がれない。

僕と一緒だった。

ドドドン、パッション!

ドドドン、パッション!

団長の声に揺らぎはない。
力強く
僕の心を鼓舞する。

ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!

頭で考えるな!

ドドドン、パッション!

魂が震えるままに!

ドドドン、パッション!

体に、
心に、
正直に、

ドドドン、パッション!

生、き、ろ!!


何かが胸に届いて、
全てを
振り払って、

僕は立ち上がった。

叫んだ!

パッション!
パッション!
パッション!

団長の声に合わせて
一緒に叫んだ。

数年ぶりに、僕は封印していた
本当の自分を解放した。

頭を空にして
声を出した。

パッション!

僕と同じように、パラパラと、何人かが立ち上がり、
団長と声を合わせた。

ほとんどの生徒が座っている中、
僕を含め何人かが声を出し、
そして

和太鼓の演奏は終わった。

全校生徒の拍手の後、
司会の先生が僕にふる。
「最後に、生徒を代表してお礼のあいさつをしたいと思います。
 生徒会会長、片松優希」

名前が呼ばれて僕はステージへ向かう。

歩きながら、考えた。

団長に、団長のメッセージを受け取ったことを伝えたかった。
「心と体が感じるままに生きろ!」

そして、みんなが
思いのままに
生きれるように、

本当の自分で生きられるように、
みんなが
本当はしたかったことを
実現したいと思った。


団長の前に立ち、
一通りのお礼を言った後、
僕は言った。

全校生徒に言った。
「最後にみんなで感謝の気持ちを表しましょう。
 全員、立ってください。」

すぐにみんなが立ってくれた。

「せーので、パッション!言いましょう」

本当の心の声に従って、生きよう!

「せーの!」

「パッション!!!」


全校生徒の声が一つに重なって、
体育館に
響いた。

ウワッと拍手が沸いて、

スカッとした。

団長が
笑っていた。


15歳。
大人でもなく、子どもでもない。

そんな日に、僕は太鼓の音を聞いた。

太鼓が僕の情熱に火をつけ、

僕はパッション、片松優希になった。


パッション!片松優希

あの体育館で太鼓の音を聞いた日から、まだ6年しかたっていない。
この6年間、いろいろあった。
相変わらず、努力を続けた。
失敗もあった。
成功もあった。
嬉しい思いも、嫌な思いもした。

いろいろあったけど、
僕は自分の心にウソをつくことはしなくなった。

太鼓の音が聞こえるからだ。

人生の選択肢に迷う時、
辛いとき、苦しいときは
耳を澄ますことにしている。

ドドドン、パッション!
ドドドン、パッション!

太鼓が聞こえる方に向かう。

辛い道でも
苦しい道でも

それが、自分が生きる道だ。

とても気持ちが良い。


みんなが、自分の思いに正直に人生を生きれたら良いのに、と思う。

出会った人が、昔の僕のように
人の目を気にして、苦しい思いをしていたら、

僕は、この
太鼓の音を聞かせたい。


ドドドン、パッション!

頭で考えるな!

ドドドン、パッション!

魂が震えるままに!

ドドドン、パッション!

体に、
心に、
正直に、

ドドドン、パッション!

生、き、ろ!!

この振動が、世界の果てまで行き届いて
みんなが、パッション持って
主人公として自分の人生が生きられたら
自分をもっと好きになるだろう。
夢に向かって正直に生きるだろう。

いじめもなくなって
差別もなくなって
失敗も、成功のうちになって
妬みも
争いもなくなるだろう。

そんな世界を作りたい。

情熱の太鼓を、世界の中の
小さな国、日本で
僕は打ち鳴らす。

みんなの心に響くように。


1人の太鼓では世界の果てまでは聞こえない。
でも、僕の振動はきっと誰かの心を震わせる。
振動の連鎖が広がって

太鼓の音が、1人増え、2人増え
どんどん増えた時、
世界はきっと変わる。

やり方は、なんだっていい。
100万人が自分の人生を生きれるように、
僕は情熱の太鼓を打ち鳴らす。

パッション!



あとがき

優希さんは、まさにリーダー、という感じの青年です。
周りにいる人のいろんな思いや期待や願い、ネガティブな感情までを臆せず受け入れて、それを一つの大きな力に変換させて集団を引っ張っていく頼もしさを感じました。
私が一方的に優希さんの話を聞くだけでなく、私の仕事の悩みを聞いていただき、前に進むために欲しかった言葉をかけてもらったりしました。
優希さんなら私の背中を押してくれるだろうな、と思って相談したら、その期待に応えるように真っすぐに温かい言葉で、背中を押していただきました。

毎日を生きている中で、胸が震えた時、
それはもしかすると優希さんが今も鳴らし続けている太鼓の響きを
胸で感じたのかもしれません。

たくさんの人が人生の主人公として
体に
心に
正直に
生きられますように。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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