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あまくてサクサクの手紙は、こんなふうに

ドーナツをよくつくる。ここさいきん。
とてもいいたべものだとおもう。

まず、かんたんでおいしい。
ボウルに粉やたまごとお砂糖を混ぜて揚げると
すぐにサクサク、フワフワにできる。

昔は母によくつくってもらった。
たとえば友だちの家にいったりするとき。

ひとくちサイズのドーナツをつくって、
たっぷりとおさとうをまぶして持っていった。
フライパンに油で揚げ焼きにしているから、
ところどころ色むらがあった。


でも市販のドーナツはもっとすきだった。
たべかたにこだわりがあり、はんぶんに割って、
コップについだつめたい牛乳にひたしながらたべるのだ。

最近、友人たちをよぶ食事会でつくった
かぼちゃをたっぷりねり込んだドーナツ。
ところどころあるホクホクの実が口福。


昔NHKのおかあさんといっしょでやっていた「スプーン姫」というアニメの影響だ。
あたまにリボンをつけたおてんばスプーン姫にいつも振り回されているともだちのカップくん。
自分にそそいだ牛乳につけながら、スプーン姫と仲良くそんなふうにたべているのがたまらなくおいしそうだった。

さいきんでは、大切な人達がいる場や、
大切なひとたちのところへ行くときに、
何かを頑張っている人がいるときに、
ドーナツ作ろう、と真っ先にあたまにおもいつく。

かんたんでおいしいから。
勿論そういうのもある。

でも大切なのは、あなたを大切に思っている、親密に思っている、という気持ちを伝えたいからだ。
その人のために粉やたまごをまぜ、油であげて、ドーナツをつくった、という行為。
でもそれはケーキよりもカジュアルで、
それは親密さと愛の結果である。

食べる人に、そういう心の部分でのあたたかさと心の距離の近さを感じていることを、
おいしさ以上にまずつたわってほしいとおもう。

だから実際の味にはすごくおいしい自信なないとしても、笑顔になってほしいなと思う人にしかつくらないから、そこの気持ちがドーナツというひとつのたべもののかたちで伝わってほしいなとおもう。


ドーナツは文字ではないけど、
あるひとつのメッセージだ。

あなたは大切な友達であること。
笑顔になってほしいひとであること。

もしこころがひえていたら、
このドーナツをたべるときは、
あたたかく感じてほしいと思う。

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