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ああ私、ヘリコプターか、ドローンか

「傷つきやすいアメリカの大学生たち」という本を読んだ。今(正確には少し前)のアメリカの大学では色々な問題が誤った方向に進んでいると問題提起すると共に、それが何故起こっているのかを考え、最後にどのようにしていったらいいのかを提案というような内容の本だ。アメリカに住んでる身として、今のアメリカの大学で何が起こっているのかというのは興味深かった。この本の大きなポイントであるキャンセルカルチャーとかポリティカル・コレクトネスの問題は非常に難しいと思う。SNSなどが出てきて、今までだと綺麗に隠されていたり、理論武装されたりして、うやむやにされていた問題が世にどんどん出てきているので、怒りを感じる人が多いのは納得できる。ただ、まぁなんていうかだいたいの事って絶対にこうです!みたいな風に決められないし、それなのに断定してしまうと周りが見えなくなる。またSNSでは自分と同じ意見の人ばかりがいるような錯覚に陥ってしまうので、どんどん自分達は正しいと思ってしまうのもよくわかる。物事を細分化して、一つ一つの良い面や悪い面について客観的に考え、また自分との反対意見を冷静に聞くというのは非常に大切な事である。とわかっているけど、難しいのも非常に非常によくわかる。扱っている内容も割と重めのテーマばかりだし、難しい表現もあったりして、たまに眠くなるが、良い本だった。睡眠導入本としての効果もあったりなかったり。
と、ここまでタイトルについて無視してきた。
「ああ私、ヘリコプターか、ドローンか」お~いお茶新俳句大賞に出そうかなと思ったくらいだが、この本を読んでからしか意味のわからない俳句なのでマニアックすぎるかもしれない。
そう、この本の最後の方でヘリコプターペアレント(ヘリコプターペアレントとは、子供を管理、干渉する過保護で過干渉な親のこと。子供の上をヘリコプターのように旋回しているという事らしい)がいかに子供にとってよくないかという事が書いてあったのだが、それ私です・・・と反省している。ふざけた俳句からは反省しているとは思われないだろうが、本当に反省している、というか気が付いていたのだが自分を正当化してうやむやにしていた問題だったので、やっぱりそうですよね・・・と改めてヘリコプターペアレントを卒業しなくてはいけないと思ったのだ。海外駐在で子育てしていると、やはり日本で子育てするよりもついつい過保護、過干渉になってしまうのだ。アメリカでは基本的には子供だけで出かけたりできないので、物理的にもそうなってしまう。物理的な部分はどうしよもない部分もあるのでまぁ置いといて、他の部分は本当に気をつけないといけないなと思う。学校から帰ってきた息子に「〇時からクラブチームの練習があるから、〇時までには用意しなきゃいけないよ。〇時までに宿題やっちゃってね。あ、もしゲームしたいなら〇時には始めないとできないからね」とか毎日のように言っているのは私だ。恥を忍んでさらに言うと、息子が忙しそうだったら、クラブチームの練習に必要な持ち物を全て用意してあげるときもある。反省。脱ヘリコプターを目指す。口出しせずに見守るって難しいんだよな。ヘリコプターペアレントって良かれと思ってやったことが裏目に出るという悲しいやつだから本当に気をつけなきゃ。本の中に出てきた「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉を心の中にとどめておきたいと思う。


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