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帰化とは~在留外国人&外国人支援者向け~ニュースレター#13

帰化とは、日本国籍を取得することです。帰化申請とは、日本国籍を持たない外国人が日本国籍を取得するための申請手続きのことをいいます。

外国人のビザと言えば「入国管理局」ですが、帰化に関しては入国管理局が管轄ではなく、「法務局」が帰化申請の事務をおこなっています。

そして、「許可」「不許可」の判断は法務大臣の権限なのです。

帰化を希望される方の3つのパターン

・在日韓国人朝鮮人の方のケース
日本生まれの特別永住者の方です。

日本生まれ日本育ちで、日本の義務教育を受けています。

まさに、日本人と同じ。日本語は日本人と同レベル、韓国語はわからない、韓国に行ったこともないという方がいます。

なぜ自分は日本国籍ではなく、韓国籍なのだと国籍をコンプレックスに感じ、名前も通称名をつかい、周囲に国籍を公表することなく生活していらっしゃいます。

これは、日本の国籍を取得する基準が、生まれや生活の拠点ではなく、外国人から生まれた子供の国籍は外国籍と血統主義を採用していることから、国籍と実態のズレが生じるのです。

親子代々、日本で生まれ・暮らしていても、外国籍の親から生まれた子はずっと外国籍のままなのです。

・日本人と結婚した外国人の方が日本国籍を取得するケース
日本人の方からのお問い合わせで、「夫は帰化できますか?」「妻が帰化をしたいのですが」といった問い合わせが多くあります。

・日本で就労している外国人のケース
すでに日本に長期間住んでいてこれからも日本に住み続けたい、一生日本で暮らしたいと帰化を希望される場合です。

帰化を意識するタイミング


どのような境遇にいらっしゃるかによって帰化を希望される理由は様々ですが、在日韓国人の方の場合、就職前や結婚の前に日本国籍になっておきたい。

子供が生まれたので帰化したいなど、みなさんそれぞれの人生の節目に立った時に帰化を意識されるようです。

そして帰化したいと思い立った時に確認すべきことは、「帰化の要件」を備えているかどうか。帰化申請書類の作成や添付書類を集める工程は、とても煩雑で面倒な作業であり、とても労力がかかります。

要件さえクリアできていれば結果的には帰化できる、日本国籍が取れると考えていいでしょう。

永住権との違い


永住権と帰化の違いについて。

永住権は外国人が母国の国籍を保有したまま在留期間を制限されることなく、日本で住み続けることができる権利をいい、帰化は母国の国籍を喪失させ、日本人として日本に住み続けることを指します。

帰化をするという事は、日本国籍になるということ

帰化すれば、今まで保有していた在留カードの更新もありませんし、参政権(選挙権)も与えられます。そして、就労の制限もなくなりますのでどんな職業にでも就職することができるようになるのです。

【帰化と永住の違い】

日本に帰化することのメリット・デメリット

メリット
①在留カードの手続き不要
②参政権の付与・選挙への立候補が可能になる
③公務員になることも可能に
④年金など社会保障制度等が日本人と同じ扱いになる
⑤住宅ローンが組みやすくなる
⑥日本人と結婚した場合、同一の戸籍に入ることができる
⑦日本のパスポートを取得できる

メリット①在留カードの手続き不要
帰化の許可が下りた際に在留カードは返却しますので、常に持ち歩く義務がなくなります。

メリット②参政権の付与・選挙への立候補が可能になる
日本人となるため選挙で投票できる・選挙に立候補することもできる。

メリット③ 公務員になることも可能に
就労ビザ等の場合は働くことができる職業に制限がありましたが、帰化後はどのような職業にも就くことが可能に。外国人の場合、役職に制限がある公務員も制限がなくなります。

メリット④年金など社会保障制度等が日本人と同じ扱いになる
日本人と同様に年金、社会保障、公的扶助等が受けられるようになります。

メリット⑤ 住宅ローンが組みやすくなる
法律上は外国籍の方はローンが組めないということではありませんが、日本国籍を取得することで金融機関等からの信用を得やすく、審査が通りやすくなります。

メリット⑥日本人と結婚した場合、同一の戸籍に入ることができる
日本人と結婚した場合、またお子さんが生まれた場合は同じ戸籍に入ることができます 。

メリット⑦日本のパスポートを取得できる
日本はビザなしで渡航できる国ランキングで1位!!日本のパスポートはとても優秀です。海外出張や海外旅行の際の海外渡航手続きが楽になります。

デメリット
・母国の国籍を喪失する(日本は二重国籍を認めていない為)

まとめ

帰化の許可・不許可は法務大臣に広く裁量権が認められており、申請した書類に形式的な不備がない場合であっても、必ずしも申請が許可される訳ではありません。

半年から一年かかる審査期間の間に提出済みの書類が古くなると、新しく再取得して提出するように指示を受ける場合もあります。

お仕事や家事・育児の合間に、ご自身で帰化申請に対応することは大変なことです。

限られた時間を有効に使うためにも、帰化申請を検討する際は、専門家に相談してみましょう。

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