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異国の地で誘拐されかける


ドイツでは試合は基本土日の昼間に行われる。

しかし、試合数の関係などで平日に試合が行われることもある

平日の場合はみんな仕事しながらサッカーをしているため、試合は夜開始する

その日は珍しく平日の試合だった。

それも夜20時のアウェー。


「これは家帰ってきたら日付変わってるな」


この時は思ってもいなかった、試合後に人生でトップ3に入るほどの怖い経験をすることになるなんて、、、


電車で途中の駅まで行き、そこからチームメイトに乗せてもらって1時間半ほどかけて試合会場に行った。


試合の結果は2−2のドロー。

その時点ですでに22時くらいだったと思う。

田舎すぎて携帯は常時圏外だった。

電車の時間も調べられない。


案の定途中の駅まで着いた時、次の電車は朝の5時だった。


冬場だったため「野宿したら死ぬな。」と思い、

近くのバーで

「すいません、タクシーを呼んでください」

と頼んだ。

「30分くらいでくるよ」と店主。

優しい人に救われ助かった。

ここはドイツだし、タクシーが来るのは1時間後かな。

バーで待っていると、アジア人のおじさんが話しかけてきた

「話が聞こえてきたけど。お前マインツ(自分の住んでる所)まで帰りたいのか?

俺が乗せて行ってやるよ」


とカタコトのドイツ語で言われた。

「いや、同じアジア人だけど絶対怪しい!!

詐欺師みたいな格好してるし怖い!!」

しかし、当時まだドイツ語がそんなに喋れなかったし、うまく流せなかった。

タクシーも本当に来るかどうか怪しかったし、、、


半ば無理やり連れていかれ、車のとこに行くともうひとり大男がいた。


「やば、、、」


日本の引っ越しの車に似たモノで、前の席に3人座れるタイプ。

真ん中に座らせられた。


「覚悟を決めろ。最後は力づくで抵抗しろ」と自分に言い聞かせた。


しかし、アジア人の男から出てきた言葉が想像もしない一言だった


「俺はお前のチームメイトの親だよ。笑」


自分はその時すっかり忘れていた、自分のチームにベトナム人がいたことに。

人間焦ると視野が狭くなり、物事を広く考えられなくなる。


チームメイトの親は自分のチームリュックを見て気がついたらしい!


「いや、おっさん 最初に言ってくれよ!!めちゃめちゃ怖かったわ!!」


相手は笑っていたが、緊張が解けて変な表情になっていたと思う。


なんとか家に着き、「もっと人を信頼しよう」と感じた夜だった。


人生何事も経験ですね。


最後までご覧いただきありがとうございました!

sakura










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