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ワーパパと五輪書

こんにちは。
3人娘を育てている、ベンチャー企業のCTOです。


五輪書

五輪書は、宮本武蔵が書いた兵法書です。

五輪書はハーバード・ビジネス・スクールでも取り上げられるなど、現代では経営哲学を学ぶための書籍としても捉えられています。

今回も、100分de名著シリーズの解説書を拝読しました。

五輪書は、「地・水・火・風・空」の五巻で構成されています。

  • 地:兵法とは何か

  • 水:剣術の技法・鍛錬の仕方

  • 火:戦術

  • 風:他流剣術との比較

  • 空:境地

地の書は、武士の生き方を含めて語られています。
今回、地の書と水の書の概要を記載します。

地の書

武士の生き方

武蔵によると、兵法は「武家の法」であり、武士の生き方を指しています。

兵法書というと孫子の兵法を想像すると思いますが、孫子の兵法では国家などの組織における戦略・戦術を取り扱っています。
一方、五輪書では個人としての武士の生き方を説いています。

武蔵の説く武士とは「戦う者」です。

戦う者であるかぎり、様々な武器に精通する必要があります。
そして、戦うための準備もする必要があります。

武蔵が生きた時代は1584年から1645年であり、1600年の関ヶ原の戦いに参戦していたとも言われます。
その後、江戸幕府が開かれた中で、合戦経験が無い若い武士たちを見て、武士にとっての実戦経験の重要性を地の書に込めたとも言われます。

大将と士卒

武士といっても、大将と士卒とで役割が異なります。

大将は、合戦においては士卒の力量を見極めて、適切な持ち場への配置をする必要があります。

戦場において戦術を踏まえた配置は非常に重要です。
適材適所を実現するために、軍事全体に精通しつつ、配下の武士たちをよく知っておく必要があります。

士卒は、普段から武具に親しみ、鍛錬を重ね、技を磨きつづける必要があります。

そして士卒は技を磨き、戦術を学べば大将にもなれるとも言っています。

武士の本分

武士の本分は、人より優れていること、ここでは特に勝利することだと武蔵は言います。

そして、兵法は実戦で役に立つことを重要視します。
道場稽古のみの剣術は、武蔵にとっては不十分と捉えていたようです。

武蔵は二刀流として知られていますが、二刀を使うのも実戦を重視するためです。
使えるものは何でも使うというのが武蔵の考えです。

両手で太刀を握る方法は、合戦時には不十分と武蔵は言います。
戦場で馬に乗る際、片手は手綱を握ります。
このとき刀を両手で持てないため、普段から片手で刀を扱えるように鍛錬しておく必要があります。

武具の利

武士は、太刀以外の武具についても運用方法を理解する必要があります。

脇差、槍、弓、鉄砲などなど、様々な武器の扱いにも長ける必要があると武蔵は言います。

ただし、最も重要な武具は太刀だそうです。

これは、昔から武士の最も基本としている武具であることから、武力のシンボルとして捉えられていました。

水の書

自ら試す

水の書には、剣術の鍛錬の仕方について記述されています。

もちろん文章で書いてあるわけですが、ただそれを読んだだけでは技術として習得は出来ません。
実際に自ら試し、技の感覚を身につけることが重要です。

基礎

多くの流派の剣術の指南書では、技のやり方の説明が書かれているそうです。

武蔵は、技よりも剣術の基礎を重要視しています。
基礎がなっていなければ、いくら技を覚えても使いこなせません。

鍛錬

武蔵は、昨日より今日、今日より明日と、毎日少しずつでも技量を高めていくことを重要視しています。

基礎をしっかり実施する。
稽古は日常から徹底して実施する。

本番だけが重要ではなく、日々の積み重ねが重要です。

ワーパパと五輪書

五輪書は兵法書であるため、普段の生活にぱっとそのまま適用できるものではなさそうです。
例えば、武具の使い方等は、現代社会ではほとんど役には立たないでしょう。

しかしながら、天下無双となった宮本武蔵が晩年に書いた書物であり、ここには間違いなくモノゴトの本質が抽出されているように思えます。

読んでいる中で興味深い箇所はいくつもありました。
特に心の持ちようなどについては、学ぶべきものがありそうと感じました。

ただ、正直なところ、しっくりくるまでは読めていなません。
折をみて再度読み直したときに、改めて発見があるように思えます。

今回は、ネガティブケイパビリティを持って、わからないことを許容しようと思います。

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