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ハイパー起業ラジオ:コミュニティとビジネス!
毎週水曜日は「ハイパー起業ラジオ」!
今回は、コミュニティをビジネスにしていく方法と、「コンテンツが無いと人が集まらないが逆もまたしかり」の鶏卵問題について解説されています!
めちゃくちゃ学びが多いので、メモしました!
コミュニティをビジネスにするには
難易度
最近だとRedditという、カテゴリー別掲示板の起業がIPOするという話があり、コミュニティで利益を上げるという事例はある。
しかし、基本的にコミュニティでマネタイズするのは難易度が高い。
ビジネスモデル
コミュニティ自体でお金を生み出すビジネスモデルは、ほぼ3種類に絞られる。
公告
課金
EC
ネットビジネスではこの三つ以外は無いと言われているが、コミュニティでも同様。
その中で一番ベーシックで多いビジネスモデルは、コミュニティメンバーが投稿したコンテンツをメディアにして、公告を載せるというもの。
CGM / UGC
ユーザーがコンテンツを作るメディアを、以下のように呼ぶ。
CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)
UGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)
今はUGCと呼ばれている事が多い。
メディアにするメリット
コミュニティに投稿する人は限られていて、1〜5%と言われている。
例えば、Wikipediaに投稿する人は0.5〜1%と言われ、日本のWikipediaのほとんどは上位1000人くらいで作られている。
少数の人が投稿し、非常に多くの人が見ている側という形になる。
この構造から、見ている人に対してビジネスをする方が効率的。
ソーシャル・ラダー
『グランズウェル』という書籍が2008年に出版された。
コミュニティがネットの中で力を持つ時に、どのような階段でユーザーが変わっていくのかが、まとめられている。
その階段はソーシャル・ラダーと呼ばれ、以下のような階段となっている。
書き込みをしてくれる一部の人
コメントを軽くしてくれる人
リードオンリーユーザー
アクティブにゼロから書いてくれる人は0.5〜1%、それに対してコメントや修正をしてくれる人が2割くらいで、8割はリードオンリーメンバー。
この8割に対して公告を打つビジネスモデルが良いという話になる。
SNSを作る難しさ
コミュニティと言うと、TokTokやInstagramのようなSNSを思い浮かべる。
これらはグローバルのバケモノサービスで、そのようなSNSを作ると難易度がものすごく上がる。
GoogleですらSNSのビジネスに失敗している。
今回は、そこまでいかなくてもビジネス化できる、という話をする。
公告モデルにおけるコンテンツをユーザーにどう作って頂くか
今回は公告モデルにおいて、ユーザーによってコンテンツをどう作っていただくかという話をする。
コストに関する注意事項
「コミュニティが出来上がると、企業はコストをかけずに、コンテンツが自動的に出来上がっていく」という勘違いが多い。
例えば、以下のように、都合のよい言い方をされる。
ユーザーが勝手にコンテンツを書いてくれる
ファンは詳しいから愛を持って書いてくれる
「もともと作らないといけないコンテンツを、好きな人が勝手に作ってくれるので、コストダウンになる」という考えてやると、結構失敗しがち。
むしろ「コストがかかるが、それでもそれをやる理由があるのか」といったことを考えて、取り組むものと考えた方がいい。
インセンティブ設計
プロに頼むと、1万円支払えばコンテンツを作ってもらえる。
一方、お客さんは「楽しさ」や「充実感」など、色々なインセンティブがないとコンテンツを作ってくれない。
「私達のコストを下げたいから無料でやってください」と言われると、押し付けになって、お客さんは嫌がる。
例えば表彰制度をつくるとか、イイネがたくさん集まるとランキングにのるとか、このような投稿したいと思わせるような仕組みを作る必要がある。
人間を理解した上で、うまく動かす必要があるため、難しい。
プロに原稿を書いてもらう都度コストを支払う方法は予測可能。
一方、良質な記事を書きたくなるようなインセンティブ作りは、仕掛けを作るために最初にコストを払ううえに、効果が予測できないため、覚悟をもって取り組む必要がある。
コールドスタート問題
誰もいないコミュニティの投稿数はゼロ。
多くの人は、コンテンツを見に来るわけなので、コンテンツがゼロのサイトには人が来ない。
以下のような、「卵が先か、ニワトリが先か」という問題になりやすい。
コンテンツがないとユーザーが来ない
ユーザーが投稿しないとコンテンツが出来ない
ここでの重要なもの(ハードサイド)はコンテンツ。
このコールドスタート問題への対策は主に三つある。
対策1) ツールとして展開する
対策の一つ目は、最初はツールとして展開するというもの。
「Tool to network」と呼ばれる。
コミュニティっぽく見せずに、一人で使っても成立するようなツールにする。
要は、コンテンツが無くても使えるサービスにする。
食べログの初期は、お店の感想を投稿できるブログサービスだった。
お店のレビューサイトでも、お店を探すサイトでもなかった。
当時はブログブームで、各自が自分のブログで「こんなお店に行ったよ」「美味しかったよ」ということを投稿していた。
食べログは、そのような人たちにむけて「記録を残せるブロブツールです」という感じでアプローチしていった。
見ている人がいるという感覚ではなく、自分のためのメモという感覚だった。
ストレージとして使ってもらう
インスタグラムも、最初はTwitterやFacebookにキレイな写真をアップするためのツールとして始まった。
YouTubeも、ブログに埋め込むというところが大きく、外部サービスにのせるためのストレージとして扱われた。
pixivも、画像ファイルを置いておける場所として使われていた。
かつては、ホームページにイラストを置くにも、容量がいっぱいになって、月額数千円を支払って容量を増やす必要があった。
これらのツールは無料でアップロードが可能であったため、ファイル置き場としてたくさん使われた。
そして、利用者がこれらのイラストや動画のリンクをはるので、それがサービスの集客に繋がっていた。
ピギーバック(piggyback)
自分たちのサービスを立ち上げる時に、全て自分で集客すると大変。
そこで、その時に流行しているネットワークコミュニティサービスに、ツールとして使われる存在になることで、そのネットワークからの集客でロケットスタートする。
生成AIも、様々なコミュニティやネットワークサービスの上に乗っかるものが作れるという意味では、Tool to networkの典型になる可能性がある。
対策2) 自社でコンテンツを作る
クラシルでは、定番レシピを自分たちで大量に作った。
レシピだとハンバーグのような定番ものは人気になるので、それら定番レシピを作って人を集めた。
そのあと、ユーザーにTikTok風のショート動画の投稿機能や、Instagram風の写真でのレシピ投稿機能を開放した。
競合のCookpadは、完全にユーザー投稿型。
お客さんに高品質な動画を作ってもらうには、もうすこし時代を待つ必要があったため、Cookpadでは動画レシピは難しいという状態だった。
クラシルは、自社でスタジオを作り、オペレーションを最適化し、高品質なレシピ動画を大量に作った。
そして、定番レシピが大体埋まったタイミングで、ユーザー投稿を開放して、ニッチなレシピを増やしていくという二層状態にした。
UGCとPGC
ユーザーが作るUGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ)とプロが作るPGC(プロ・ジェネレーテッド・コンテンツ)を、どのように上手い形でハイブリッドしていくかということが議論になる。
Cookpadではユーザーが良いレシピを投稿してくれることを褒める文化が中心となった。
その文化の中に、プロが作った動画を大量にアップすると、コミュニティが破裂する。
InstagramやTikTokに料理人がレシピを投稿するようになると、「クラシルって厳しいよね」ってなりかねなかったが、「定番レシピはやっぱクラシルがいいよね」ってなっている。
探索のディスカバーと検索のサーチ
メディアを探索のディスカバーと、検索のサーチという軸で見てみる。
ディスカバー:出会い頭の発見
サーチ:自分の目的に沿って探す
InstagramとTikTokはディスカバーで、「おいしそう」という風な発見はあるが、「今日のこんだて」となったときには効率が悪い。
Cookpadで一番検索されているタグは「15分以内で作れる」。
時間の無い中でぱぱっと作りたいときや、アレルギーに配慮するなどの制約条件に沿ってレシピを探す場合は、検索でパッと探せるメディアのCookpadやクラシルを使う。
対策3) 演出でごまかす
けんすうさんが過去に運営していた「アンサー」というモバイルのQ&Aサービスがある。
【アカウント閉鎖のお知らせ】
— アンサー (@answer_official) January 20, 2017
本アカウントは、2017年1月31日(火)に閉鎖させて頂く予定です。いつかまた、みなさまとインターネットのどこかでお会いできることを楽しみにしています。今までありがとうございました! pic.twitter.com/eAX3p0T1Sf
このサービスは、あえてLINEのようなチャット風の画面にしていた。
最新のコメントがあったものが一番上に表示される、フロート式と呼ばれるものにしていた。
こうすると、リロードする度に上位の投稿5件くらいが常に入れ替わっているように見える。
賑やかしとして、人が集まっているように見える。
ヘビーにLINEする人でも、毎秒メッセージが来ることはない。
このサイトにくると、LINEと比較して、めちゃくちゃ人がいると感じる。
ユーザー数が少ない状態でも「このサービスになぜこんなに人がいるんですか?」という質問が来るくらい、投稿がたくさんあるように見せていた。
「人気(ひとけ)」と呼ばれる、たくさんの人がコミュニティにいるようにどう錯覚させるのかは重要。
人気(ひとけ)の設計
昔、コンビニがメジャーではなかった頃、雑誌棚を入口の横の窓際に置いて、誰かが雑誌を立ち読みしているのを見えるようにした。
深夜のコンビニで人気(ひとけ)が無いと不安に思うところを、立ち読みによって人気(ひとけ)を演出していた。
同期性
アンサーを運営していたタイミングが、スマホでLINEが定着している時期だった。
そこで、コミュニティサービスを非同期で作るか、同期で作るかという点が重要だった。
掲示板はすぐに答えが返ってこなくていいサービスで、質問を書いたら次の日にしっかりした答えが返ってくればいいという、非同期性。
一方で、アンサーのような、同期性の高い、すぐに答えが返ってくるサービスだと、その答え自体がズバッとした答えでなくても嬉しいと感じる。
誰かに構ってもらえているという安心感、いわゆる、グルーミング的なサービスになっていた。
皆が悩みをちゃんと説明せずに「はぁ、つらい。」と投稿して、皆が「どうしたの?」と聞いて、「実は…」というような設計になっていた。
その他のテクニック
Twitterが買収された後にBluesky等が話題になったが、それらのサービスは「ここがダメになったから他に移動しなきゃ」という人たちの獲得を狙っていた。
2ちゃんねるは、あめぞうという大きなサービスが崩壊したときに、そこからユーザーを持ってきた。
プロがコンテンツを作るバージョンの派生系として、自作自演のようなものもある。
コストをかけて自分たちでコンテンツを作る場合もあれば、NewsPicksでは有名な人にお金を支払ってコメントしてもらっていた。
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