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ハイパー起業ラジオ:目的で繋がるチームと理念で繋がるコミュニティ!

毎週水曜日は「ハイパー起業ラジオ」!

今回は、チームとコミュニティの違いについて解説されています!
めちゃくちゃ学びが多いので、メモしました!


チームとコミュニティ

前段としての留意点

チームは、コミュニティの一種ともいえる。
ただし、チームは他のコミュニティと比べて異質。

あえてチームの概念の説明をするために、チームとコミュニティを切り離して、別物として語る。

コミュニティとは、のおさらい

コミュニティは「共通項×人々の集まり」。

この共通項には、以下のものが挙げられる。

  • 興味・関心

  • 価値観・思想

  • 目的

  • 物理的な近さ

これらの共通項は、どれか一つに限られるわけではなく、複数ある。
その中で、どれを最も重要なものとして人があつまるのかという話になる。

例えば、同じ大学限定のサークルであれば、「興味・関心」を共通項としてありつつも、「物理的な近さ」が重要視さる。
一方、インカレのサークルであれば「興味・関心」が最も重要視される。

「目的」が最も重要視されるのが「チーム」

共通項の中で「目的」を達成することが最も重要とされていて、他の共通項が比較的軽視されているものを「チーム」と呼べる。
※コミュニティの大枠の中でも特異なものとして扱う

会社は、基本的にはチームが多い。

物理的な距離が離れている人たちでも構成されているし、興味・関心がバラバラな人たちでも協力しあえる。
一方、会社の目的に対してコミットしない人は、会社にいることはできない。
会社の利益に反する人は排除される。

コミュニティの中でも、「目的」で集まる「チーム」というタイプにおいては、目的以外の項目はゆるくても大丈夫。

ソニックガーデン倉貫さんによる整理

ソニックガーデン代表の倉貫さんが、チームとコミュニティの違いを整理されている。

これに、けんすうさんの解釈を加えてリストアップする。

チームの特徴

  • ミッションから始まって、目的・目標のために集まっている

  • 活動に重きが置かれている(Doの価値)

  • メンバーが役割を果たし、貢献することが必ず求められる

  • 社会や顧客など、外に目が向いている

  • 大事なことは、外に対してどれだけ価値を作ったかである

  • 成果のマネジメントが大事である

  • 目標が達成したり、継続が困難な時に、終わりや解散がある

コミュニティの特徴

  • ビジョンや価値観、理念に共感して集まっている

  • 状態に重きが置かれている(Beの価値)

  • 特別な貢献がなくてもいることができる

  • 内側に目が向いている

  • 大事なことは、コミュニティ内の関係性である

  • ピープルマネジメントが大事である

  • 人間関係に取り返しのつかない問題が起きたときに、終わりや解散がある

コルク佐渡島さんのお話し

チームはやりがい重視であり、コミュニティは居心地重視である。

インセンティブ

インターネットコニュニティにおけるインセンティブの難しさ

インターネットコミュニティにおいて、チームという形態は今まであまりなかった。
これは、成果のマネジメントをするためのインセンティブを渡せなかったという要因が大きい。

例えば、楽天レシピでは、レシピを投稿するとポイントが受け取れる。
このポイント目的でレシピを投稿する際は、時給換算したときに損しないように、自分の工数ギリギリまで手を抜ける。

このように効率よく儲けることに意識が向かって、いかに手を抜くか勝負になってしまう。

インターネットコミュニティでインセンティブを与えようとすると、投稿やイイネに対してお金を支払う形態になる。
そうすると、適当な投稿や、過激な投稿や、「お金をでイイネを買う」といったハックが横行してしまう。

価値観重視のインターネットコミュニティ

インセンティブ設計が高難易度というところから、web2.0までの時代では、価値観を重視する方向にあった。

チーム以外のコミュニティにおいては、居心地の良さを作っていく指向性が生じる。
長くいる場所、よく集まる場所に対して、その場所の居心地の良さのために貢献しようという流れがある。

Wikipediaも、そのようなボランティア精神によって成し遂げられてきている。

価値観重視と儲けのコンフリクト

居心地の良さをつくる貢献に対して、「儲けているのはプラットフォームだけ」という状況・認知を生んだ。

これにより、Wikipediaは株式会社にして儲ける、みたいなことができなかった。
2ちゃんねるも会社にしていない。

ニコニコ動画では「赤字は我々のアイデンティティ」とニコニコ超会議で発言している。
これが「コミュニティであって、お金を稼ぐ目的ではない」というアピールとなっている。

トークンによるチームの可能性

技術の発展によって、トークンという「売り買いできるポイントのようなもの」が登場した。
このトークンにより、インセンティブの設計がしやすくなる。

いままでは、目的のためのチームを作るには、リアルで繋がることや、株式会社化が必要であった。
トークンの登場により、そのようなものをせずとも、インターネット上で大規模なチームが作れる可能性が出てきた。

トークンの価値

トークンは、以下の2種類の価値を持つ。

  • 報酬価値

  • 所有価値

報酬価値は、「いいレシピを書いてくれた対価」とか「新しいアプリ開発してくれた対価」のような報酬としての価値。

保有価値は、トークンそのものの価値で、「レシピサイトそれ自体の価値が高まった」等によってトークン価値があがるようなもの。

トークンによる成果のマネジメント

トークンを持っている人は、コミュニティの価値があがるほど得になるという構造になる。
トークンを持っている人は、場を良くするために頑張って貢献することが、そのままトークン価値として返ってくるため、インセンティブが生まれやすい。

参加者が長期目線で活動してくれるようになるため、目標が一致する。
このため、成果のマネジメントもしやすくなる。

ジョノ・ベーコンさんのお話し

オープンソースのコミュニティに造詣が深いジョノ・ベーコンさん(『遠くへ行きたければ,みんなで行け』の著者)が、以下のような話をしている。

コミュニティの腐敗の大半は、ナローゴールの問題である。
ゴールが短期視点の狭い視野で考えられていると、裏をかくようハックのような行動が増える。
目的志向型のコミュニティを作るうえで、場を良くしようというゴール設計をすることが大事。

ナローゴールの問題

長期で頑張るという目線をもてる人は多くない。

ゴール設計においては、すぐに成果が見えるようなものでないと走り続けられない。
すぐに成果が見えるものだと、身内を儲けさせる方向にいってしまう。

ここ15年くらいで流行したSNSでは、短期的にアクセスとイイネを集めてふ、フォロワー数を増やすというゲーム設計であった。
長期でファンコミュニティを形成するのではなく、短期的に刺激的なものを投稿するアテンションエコノミーとなっていた。

これに対し、今では、トークンの保有価値などにより、長期視点での取り組みがしやすくなった。

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