ハイパー起業ラジオ:これからはどうなる?コミュニティの未来
毎週水曜日は「ハイパー起業ラジオ」!
今回は、コミュニティ編の本編最終話です!
2000〜2020年代のコミュニティの変遷と、直近での新しいコミュニティの形について解説されています!
めちゃくちゃ学びが多いので、メモしました!
※次回はコミュニティ編の番外編
今までのコミュニティ
2000年代
2ちゃんねるのような掲示板から始まり、Web 2.0ブームとなり、食べログやクックパッドに注目が集まっていた。
2006年にニコニコ動画がサービスを開始した。
このような、皆の投稿があつまるサービス(メディア)をコミュニティと呼んでいた。
Web 2.0は儲からない
「Web 2.0は儲からない」といった認知がされていた。
実際、アットコスメやクックパッドは、仕込み期間が長く、5〜6年仕込みをしていた。
2000年代後半に入って、これらのサービスがユーザー課金に舵をきり、上場が見えてきた時期でもある。
2010年代
2010年代は、フロー・フォロワーのSNSが主流となった。
「フォローはするけどフォローされない」という非対称な関係性のSNSに人が集まったのがこの頃。
それまでのSNSは、ミクシィのように友達のつながりで成り立つものだった。
誰もが発信する時代
「自分の場所を持って投稿する」というように、皆がXやInstagramの自分のスペースに自分のことを投稿し、興味があれば反応し合うようになった。
それ以前、ブログのサービスはあったが、一部の人が書いているようなものだった。
スマホが登場したことによって発信コストが下がり、誰もが発信する時代になっていった。
コミュニティとソーシャル
コミュニティとソーシャルの話は、混在させて話をされることが多い。
ここまでの歴史の流れを考えると、コミュニティとソーシャルは分けて考えると、整理が付きやすい。
直近のコミュニティの流れ
2020年以降の、コミュニティには三つの大きな流れがある。
Web3
XR
グローバル
Web3的なコミュニティ
(2024年の段階ではWeb3という表現がギリギリ使われている)
「トークン」のような、インセンティブの仕組みを持ったコミュニティが登場している。
今までのコミュニティでは、金銭的なインセンティブを押し出しているものは、あまりなかった。
YouTubeでの公告収入や、Instagramでの案件化などはあったが、あくまでも一過性(フロー的)のものがほとんど。
「トークン」は、コミュニティの株式のような概念に近く、コミュニティが盛り上がるとトークンの価格もあがる可能性がある。
これがインセンティブとして機能するため、前向きに活動しやすい構造になっており、コミュニティの質が今までと異なる。
埋没したコミュニティ初期メンバー
YouTubeの成功は、プラットフォームのYouTubeの努力によるのはもちろんだが、ヒカキンさんや東海オンエアさんのようなトップクリエイターの貢献も大きい。
ヒカキンさんは今もユーザーからの支持があり活躍されているが、埋没した初期のYouTuberも数多くいる。
そのようなYouTuberは、YouTubeの成功のきっかけを作った割には恵まれていないとも言える。
例えば、Wikipediaの初期に大量の記事を投稿した人がいても、その人たちは収益を受け取れていない上に、名も知れぬ状態となっている。
初期メンバーへのインセンティブ
一方、イーサリウムの初期メンバーや初期の投資家は、凄まじい利益を得ている。
最初にリスクを取って「畑を耕す」「井戸を掘る」という貢献をした人への恩として「トークン付与」ができることで、コミュニティがより活性化する。
そして、コミュニティが活性化すれば、初期にトークンを持っていた人ほど儲かりやすくなる。
これらの構造は、コールドスタート問題にも効果的。
さらに、ユーザー間で感謝の気持ちの表現として、トークの受け渡しが自然に行われるようになると、長期的にお金を得ることもでいるようになる。
株式会社は、現代社会の進化を圧倒的に加速させた。
同様に、トークンのようなインセンティブの仕組みを持ったコミュニティが台頭すると、「コミュニティにおいてインセンティブがあるのが一般的」となり、社会の景色も変わる可能性がある。
マネーゲームのリスク
コミュニティでお金儲けが可能になると、「お金目的」の人が大量参加して、文化が荒れて育たなくなり、お金関係なく楽しくやっている人が損をするのでは、という指摘はある。
これは一定起こりうるが、ポジティブな面もある。
初期に頑張って、途中で抜ける人がいてもいい。
ベンチャー企業でも、「立ち上げは得意だが維持は苦手」という人は、最初期に貢献できればいいという構造になっている。
この構造によって古参が生まれづらく、新しい人がどんどん入ってきやすい状態にもなる。
損得感情と縄張り争い
損得感情が入ると、人間は仲間になりやすい。
「好き」が強すぎると、縄張り争いが起こりやすい。
お互いの「好き」がちょっと違うと、そのちょっとの差が揉め事に繋がってしまう。
一方、損得勘定であれば、お互いのメリットのために許容しあえる。
XR的なコミュニティ
VR空間でのコミュニティが普及している。
フォートナイトやロブロックス等のゲームで交流している若年層は多い。
Z世代と呼ばれる24歳以下の方は、小中学生のころからiPhone/AndroidとTwitterが標準装備で、小学校でiPadが配られている。
この世代ではオンラインのゲームをすることにハードルが無く、リアルな友達とオンラインの友達が混在しながらゲームをすることが当たり前の感覚。
日本の小学校低学年でも、スプラトゥーンをしながらDiscordで通話するなどが当たり前になってきている。
アルファ世代と呼ばれる14〜15歳くらいまでの方々は、生まれた瞬間からiPadがあり、「最初の友達ができるのが近所の公園ではなくてマインクラフトです」というケースも増えてきている。
13歳を超えたら、ヘッドマウントディスプレイも被れるようになる。
アメリカのローティーンに対する調査においては、メインのゲームはHMDのVRという人が18%という調査結果が出ている。
VRのメリット
VRであれば、自分の見た目や性別を変更できたり、好きな場所でやりとりができるようになる。
これらがコミュニティの性質をかなり変化させる。
仕事でも普通に使われるようになり、VR空間でのものづくりや、VR上でチャットするといった文化も増えてくる。
現時点でVRを活用していない人でも、何かのきっかけで使うようになるはず。
2020年に、会議の場がZoomというデジタル空間に強制移住させられたように、VRも急にすごい勢いで広がる可能性もある。
VRによる働き方の変化
オンラインでの打ち合わせが当たり前になっている上に、VR上でできるようになると、オフィスが本格的に不要になる。
そうなると、地方で子供を育てならが4時間だけ働く、といったことがしやすくなる。
性別や年齢もわからなくなるため、差別も減る。
ゆうこすさんが設立したライバー事務所『321』では、地方のシングルマザーがPococha(ぽこちゃ)で収入を得ている。
シングルマザーで子育てをしながらだと、リアル空間で働きに出ようとすると大変だが、Pococha上のオンラインのコミュニテイで皆を元気にすることで、投げ銭で月20万年の収入が得られる。
お子さんとの時間も、ファンの方々との時間も両方大切にできる、といった新しい生き方が出てきている。
オンラインでのコミュニケーションは、Zoomのような目的型(Do型)をイメージしがちだが、「フラッと寄る」「目的がないけどいるだけで楽しい」といったBe型のコミュニティの空間も出始めている。
グローバルコミュニティ
AIの進化によって、言語の壁が取り外されている。
精度が高いため、多くの人とのやりとりがスムーズになった。
テキストでのコミュニケーションであれば、2024年現在でもスムーズになっている。
Zoomには字幕がつき、Google Meetでは翻訳が表示される。
さらに進化すると、音声吹き替えのような形にもなる。
ChatGPT-4oのように、0.2秒くらいで翻訳結果が出て、AIが多言語でしゃべるということが実現する。
いずれ皆がリアルタイム字幕を前提に、国際会議の場でも母国語でしゃべるようになる可能性がある。
MANGA Plus Universe
集英社とアル株式会社が、期間限定で共同運営した「MANGA Plus Universe」では、母国語で書いた内容が自動的に読み手の言語に翻訳していた。
フランスの人とメキシコの人と日本の人が、それぞれの国の言語で、呪術廻戦について語り合うことが出来ていた。
体験として違和感がなかったので、この言語の壁は簡単にクリアできるようになっていく。
コミュニティの未来
Web3 x XR x グローバル
インセンティブをトークンで受け取りながら、世界中の人たちと言語を気にせずに、VR空間でネコの見た目で働くといったことができるようになる。
いずれ、「2020年以前は世界は分断されていて、日本のコミュニティは日本人しかつかっていなかった」「テキストのコミュニケーションしかなかった」のような思い出話がされる時期が来る。
バイアスフリー
XRのメリットは、バイアスを外せるところ。
見た目上のコンプレックスや、人種による差別に対する意識を持ちづらくする。
性別に関しても、見た目と声が変更できるようになることで、バイアスから開放される。
表現の変更
「この表現によって相手が傷つく可能性がある」といった相手の感情を、AIが先回りして自動的に言い換えることも可能になっている。
受信側としても、尊厳が傷つかないように、AIが表現をマイルドにしてくれる。
例えば、とある学生さんが言うには、教授から怒られているようなメールを受け取ると、傷つかないように、あまり見ずにGPTに要約をしてもらっているとのこと。
返信の際には箇条書きで書いたものを、丁寧に誤っている感じにGPTに書き直してもらっているとのこと。
XRにおいては、自分が着ているアバターだけでなく、相手が着ているアバターを自分好みに変更するといったことも可能になる。
このように、AIが発信者側にフィードバックをして促す方法、受診者側にフィルターをかける方法、発信者・受診者の双方にフィルターをかける方法など、様々な選択肢の掛け算を作っていくことになる。
フリクションレス
気が付かないうちに相手を傷つけているとういことは理解や予測はできないからこそ、AIやXRによって摩擦が減っていくはず。
このような摩擦が少ない状態をフリクションレスと呼ぶ。
それにより、人々が、本当にやりたいことに集中できるようになっていく。
2020年代のAIとXRのネイティブ世代が力を持ったときにどのようなコミュニティを作っていくのかに注目があつまる。
次の10年で、ものすごいビッグビジネスが生まれる可能性がある。
日本の立ち位置
日本は、コミュニティ先進国の可能性がある。
昔から、インターネット上で使われているコミュニティ上での言語における、日本語の割合は、英語に次いで多いといわれている。
ブログやXには日本語ユーザーが多いので、そもそも相性がいい可能性がある。
コミュニティ系のビジネスを立ち上げる上で、日本勢はチャンスが多いかもしれない。