書籍:座右の書『貞観政要』

こんにちは。
3人娘を育てている、ベンチャー企業のCTOです。


座右の書『貞観政要』

APU学長の出口治明さんが書かれた貞観政要の解説書を読みました。

貞観政要は、中華王朝の中でも屈指の名君と呼ばれる、唐の太宗(李世民)の言行録です。

貞観政要は、リーダーのあるべき姿、取るべき姿勢が書かれた書物だと言われています。

徳川家康が学んだということでも有名ですが、歴史上の多くの名君に読み続けられたという古典的な名著と呼ばれています。

この書籍は、出口さんによって、貞観政要をいくつかの切り口で整理されたものです。

前提知識となる唐の歴史についても解説されており、かつ、非常に読みやすく書かれているので、オススメです。

今回、この書籍からの学びをいくつかピックアップして記載いたします。

リーダーは何もせず適材適所な配置をするのみ

基本的に、組織のパフォーマンスは人材配置で決まります。

メンバーの向き不向きを理解し、現場の状況や社会の変化を理解し、適切な人材を適切な場所に配置できれば、リーダーは特にすることはありません。

メンバーが最大のパフォーマンスを発揮すれば、現場は良く治まります。

人間の能力は有限です。
リーダーは強い権限を持ちますが、自分を「有能で何でもできる」と思っていると、その権限を使いすぎてしまいます。

しかし、一人の人間でできることが限られている以上、適材適所なリソース配分をする以上のことは出来ません。

人の器は大きくするよりも空にする

人の器の容量はおおよそ決まっていて、簡単に大きくすることは出来ません。

器を大きくすることは出来ませんが、器に入れるものの容量を増やすことはできます。
それは、器の中身を空にすることです。

自分の価値観やこだわりといったものを捨てると、器に他のものを入れることができるようになります。

こだわりを捨てることにより、メンバーに仕事を任せられるようになります。
また、こだわりを捨てることで、他人の意見を取り入れることができるようになります。

一つの意見ではなく複数の意見を聞く

君主が名君と呼ばれるとしたら、その理由は、多くの人の意見を聞いているからです。
反対に暗君と呼ばれるとしたら、その理由は、一方の人のいうことだけを信じるからです。

貞観政要

一つの意見は、物事の一つの側面でしかありません。
多面的に物事を見るには、複数の意見を聞く必要があります。

リーダーは「不確定な中で判断をする」という重要な仕事があります。

そのためには情報をたくさん持っておく必要があります。

三つの鏡

銅を鏡にすれば、自分の顔や姿を移して、元気で、明るく、楽しそうかどうかを確認することができる。
歴史を鏡にすれば、世の中の興亡盛衰を知ることができる。
人を鏡とすれば、その人を手本として、自分の行いを正すことができる。

リーダーは三つの鏡「銅の鏡」「歴史の鏡」「人の鏡」をもって、自らの行動を律する必要があります。

時間軸を設定する

物事を判断するには、時間軸の設定が必要です。

短期で成果を出すべきものか、長い時間をかけて見ていくべきものか。

その時間軸の設定を誤ると、長期施策に対して短期で評価をしてしまいます。


パラパラとピックアップした形、かつ、表面的にさらう形となりましたが、ここ数年で言われている人的資本経営の前提となる話しがされていると感じます。

人的資本経営におけるいくつかの考え方は、古典的名作でも言われているという以上、重要視した方がよさそうです。


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