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週末のできごととごはん@盛岡〜大阪(230415-230417)

土曜日

朝早く家を出て、岩手県は盛岡へ向かう。
私の住んでいるところから盛岡はずいぶん遠い。着いたときにはお昼だった。

盛岡は私が中学生のころ父が単身赴任していた街で、当時は休みのたびに遊びに行き、色々なところへ連れて行ってもらった。
そのころからお世話になっている方が呼んでくださって、25年ぶり(!)に盛岡の地を踏んだ次第である。

お世話になっている方(ややこしいので以下、南部さんとする。私の母より少し年上の女性である)が迎えに来てくださり、お昼は南部さん紹介のお店で食べた。
想像していたよりはるかに立派な料亭で、先付、お造り、煮物、焼物、天ぷら…と、めちゃくちゃボリュームのあるコース料理をいただく。どれも美味しかったけれど、やはり春の東北の山菜は煮ても揚げてもすばらしい。

昼食のあと「小岩井農場の一本桜」へ。
晴れていると背景に岩手山が見えてとても綺麗らしいのだが、この日はあいにくの大雨で、なんだかおどろおどろしい写真になってしまった。
でも桜はほとんど満開!

晴れバージョンを見たい方はぜひ検索を

桜を見るコンディションとしてはいまいちだったが、小岩井農場は思いきり広く、その広々とした土や草や木々にざあざあと雨が降っている様子は気持ちがよかった。

盛岡は魅力的なカフェが多い街である、らしい。
その中のひとつ、『茶廊 車門』へお邪魔した。

昔の土蔵を改装したという、なんとも趣のある外観。中の雰囲気はレトロで重厚感がある。

素敵〜
雑味がなく、すっきりした味わいのコーヒー

そうこうしているとあっという間に夕食の時間になり、今度は隠れ家ふうのフレンチに連れて行っていただいた。

凝っているのに優しいフレンチ。全然写真を撮れてないけど、前菜ひとつだけ。

ホワイトアスパラ?のフランに、サーモンと帆立と山菜を載せたもん。詳細はわからないがべらぼうに美味しかった

しっかりしたフルコースで、ワインも白赤と1本ずつ開き、もーーお腹ぱんぱん。
夜がっつり食べるのもお酒を飲むのも久しぶりで、多幸感にまみれながらホテルに戻り、ばったりとベッドに倒れる。そのまま寝る。

日曜日

根性で6時起床。
大好きなドーミーインに泊まったので、ゆっくり朝風呂につかり、大雨(またしても)の中ホテルを出る。
向かったのは、あまりにも有名な『福田パン』。

開店の7時にお店へ行ってみると、すでに10人近くの列。
まあ待ち時間があるほうが頼むメニューを考えられていいや、と思ったが、甘かった。
時間があればあるほど悩む…!!!
店内にはパンに挟むメニューがずらり。

全然入りきってない、まだまだある

この中から2種類まで選んで組み合わせることができるため、もう、選択肢が無限なのだ。
で、前の人の注文を聞いていると
「スイートポテト×コーヒー、だと…考えもしなかった…」
「野菜サンド×照り焼きチキン!?そんな贅沢コンボが!」
など、選択肢が絞られるどころか増えていくトラップ。恐ろしい。

悩みに悩んだが、結局
・あん×バター
・ごぼうサラダ×たまご
にした。
あんバターは鉄板の人気No. 1とのことなので、まずはそれを。惣菜系が最後までなかなか決められなかったが、南部さんお勧めのごぼうサラダを軸に考えて、ちょっと動物系たんぱく質も欲しいなと思い、たまごをトッピング。
(昨夜のワインが残ってなかったら、照り焼きチキンかエッグハムカツにしてたと思う。次回は肉系にする!!)

可愛い外観。お店を出たら、列が倍以上に伸びていた
ふかふかむちむち

ホテルに戻って、あんバターをいただく。
優しい、そして懐かしい。子どものころ盛岡に何度も来たけれど、ここのコッペパンは食べた記憶がない。それなのになぜか懐かしい。ほわほわしたパンの甘さに、塗られた(挟まれた、というより塗られた、という表現が正しい)あんことバターがそっと寄り添う。
お洒落なブーランジェリーのパンのように、小麦の味ががつんと迫ってきたり、具材がこれでもかとはみ出していたり、発酵バターが香ったりはしない。でもだからこそ、毎日食べたい安心感がある。こんなソウルフードがあるのって、良いなあ。

ホテルをチェックアウトし、盛岡駅へ。
立ち食いそば屋さんで、「三陸そば」を食べた。

わかめ、めかぶ、岩のり。やや太めのしっかりしたおそばも最高!

このまま大阪へ行こうと、お昼過ぎに出る花巻→伊丹の飛行機を予約していたので、盛岡駅からのシャトルバスに乗る。

空港でお土産を買ったり、ごぼうサラダ×たまごのコッペパン(こちらもとても美味しかった!)を食べたりして、出発。

今回あまり時間がなかったのと、ずっと雨が降っていたので街歩きが全然できなかったけれど、盛岡は歴史のある建物がたくさん残る、美しい街だった。
次回はもっとゆっくり来たい。街を歩いて、カフェを巡って、大好きなじゃじゃ麺を食べて、福田パンでわがままトッピングをして、そして久慈(あまちゃんの舞台)にも行く!ウニ食べる!!

花巻空港にあったあまちゃんマップ!すごい!

伊丹空港に着き、ホテルに荷物を置いて美容院へ。白髪が目立ち始めた根元を染めてもらう。私がここに行き始めたのは2020年なので、いつもの美容師さんがマスクを外しているのを初めて見た。なんだか不思議な感覚。ほぼ毎月会っているのに、この人のことをちっとも知らなかったんだな、と思う。

夜ごはんは神戸の、友人に紹介してもらったイタリアンにお邪魔した。
もう、本当に本当に、
すべてが美味しい…!!!
しっかりどっしり、「地に足つけた」と表現したくなるような力強いイタリア料理。前菜(兵庫産の野菜がふんだんに使われた絶品)だけでもボリューミーなのに、食べたさが勝ちすぎてプリモを頼みすぎ、最終的にはフードファイトみたいなことになった。こんなにお腹がはちきれんばかりに食べたのは生まれて初めてじゃなかろうか。最後の一口はまじで根性で口に押し込んだ。のに、最後の一口までずっっと美味しかった!!!
3人で行って、食前酒、ワイン3本、最後にグラスワインを1杯ずつ。あまりにも食べたので逆に酔わなかった。連日こんなに贅沢しちゃって大丈夫?私。
店主の方も気さくでユーモア満点で、サービスもすばらしく、ちょっと久しぶりの感動体験だった。知り合いの知り合いのお店なので店名を出すのは控えますが、気になる方はDMください(怪しすぎるやろ)。

19時からスタートして、食べ終わったのは23時30分過ぎ。店主が「こんなふうに時間をかけてたくさん食べてくれるの、すごくやりがいがあります。イタリアではみんな時間をかけて夕食を楽しむんです」と言ってくださる。
阪急の終電はもうなくて、JRで大阪へ戻った。大阪に着くと大雨で(今回ほんとうに雨が多い)、ホテルまでタクシーに乗る。酔ってないと思ってたけど、タクシーの中でずっとしゃっくりが出て恥ずかしかった。あー、でも、幸せな夜だった。

月曜日

有休を取っていたので、チェックアウトまでだらだら過ごす。

昨夜あんなにも食べたのに、昼時になったらちゃんとお腹がすく。スパイスがほしくて、そうだ、再チャレンジしようと思っていた味仙に行こう!と決めた。
…が、マルビルに行ってみると、まさかの「マルビル取り壊しに伴い3月末で閉店しました」との貼り紙が。な、なんと!!

仕方ないので方向転換。平日だしいけるかな、と、阪神大食堂フードホールの『ボタニカリー』に狙いを定める。
やっぱり並んでいたが、30分ほどで無事ありつけた。
ボタニカリーとチキンのあいがけ、ごはん少なめ、1辛、たまごピクルスをトッピング。

お皿のオシャレさも含めて優勝

最後まで味変しながら美味しく食べられて、店員さんのホスピタリティも満点で、やっぱりボタニカリー大好き!阪神に出店してくれてありがとう!

そのまま阪神をぶらぶら見たり、大丸の東急ハンズで買い物したり。
カレーを食べたら甘くて冷たいものを欲してしまい、ヴェンキでジェラートを食べた。

チョコレートのソルベと、チョコチップ入りストロベリー

いやはや食べた!もうこのあとは食べないぞ!と思いながら帰りの電車に乗り込む。
しかし途中で人身事故などがあって、電車が長時間止まった上に乗り継ぎも悪くなり、ちょっと落ち込みそうになるほど時間を持て余してしまった。

これはもう、飲むしかない。

乗り継ぎ駅で地酒を購入。
そして取り出したるは、きのう盛岡駅で購入したコレである。

酔明 ほや。
平松洋子さんのエッセイ『ひさしぶりの海苔弁』で読んでからというもの、ずっと食べてみたかった珍味である。
ほや自体食べるのが初めてで、少しドキドキしながら口に含んだ。

…海!!!!

覚悟していたようなクセは全然ない。噛みしめると、潮の香りが口一杯に広がる。奥のほうにかすかに感じる独特の風味が、ほやだろうか。
食べているうちにその風味がなくなるというか、丸くなるというか、コクのあるふくよかな旨味に変わる。こうなったらもう、日本酒が止まらない。
個人的に日本酒のアテとしていちばん好きなのは鯖のへしこなのだが、このほやはへしこや塩辛と比べてかなり塩味が少なく、そのぶんじわじわと来るうまさがある。そして日本酒の風味を邪魔せず、引き立てる。

300mlの小さな瓶に入った日本酒が一瞬で消え、そのうちに電車も動いてご機嫌で帰宅。
ここでやめておけばいいのに、満腹中枢がバカになっていて、家で日清のトムヤムヌードルを食べた。

以上、1ヶ月近くかけてじわじわ落とした体重を3日で取り戻した話でした。


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